開幕投手を奪い取る!

 4年ぶりに中日に復帰した川上憲伸投手(36)が1月31日、正式契約を結び、沖縄・恩納村のチーム宿舎で記者会見を行った。単年契約で年俸は3000万円プラス出来高払い。背番号は「11」。かつてのエース右腕は「遠慮しますとかではなく、候補に選ばれるくらいのアピールをしたい」と開幕投手争いに名乗りを上げた。(金額は推定)

 4年ぶりに竜のユニホームに袖を通すと、憲伸の目がぎらついた。日本球界で112勝を挙げたエースとしての本能がよみがえった瞬間だ。キャンプ前日。いつもこの時期に目指していたのは、開幕戦の真っさらなマウンド。そんな思いが頭に浮かんだ。

 「そんなに甘いもんじゃない。ただ、僕は遠慮しますとかじゃなくて候補に選ばれるくらいのピッチングをしてアピールをしたい」

 やるからには開幕投手を目指す。少し遠慮しながらも、入団会見の場で堂々と開幕投手争いへの参戦を表明した。

 実績は十分だ。05年から08年までの4年連続を含む6度の開幕投手を経験している。回数だけなら、29年目の山本昌よりも多い。日本球界へのブランクがあると言っても、その経験と実績は文句の付けようがない。

 指揮官もひそかに期待を寄せている。高木監督も沖縄入りしてから「投げられるなら、こんな楽しみなことはない。これで開幕投手候補がまた増えちゃったな」と発言。それだけ、川上への期待は大きい。

 もちろん、4年前とはチーム状況がガラリと変わった。川上が海を渡ってから、吉見が2桁勝利を続けてエース級の活躍でぽっかり空いた穴を埋めた。昨季はネルソンが中日の外国人としては25年ぶりとなる開幕投手を任された。まずはチーム内の競争に勝たなければ、開幕投手を奪うことはできない。

 「(キャンプは)今までドラゴンズにいた時のようにゆっくりじゃなく、早く安心材料を与えられるようにやっていきたい」

 川上がエースと呼ばれた理由。それは積み上げた勝ち星だけでなく、大舞台に強いこともあった。キャンプ、オープン戦のアピール次第では、4年ぶりの栄誉も決して夢ではない。“定位置”奪還へ。元エースの戦いが始まる。【桝井聡】

 ◆竜の開幕投手争い

 高木監督が昨年末に今季29年目の山本昌を開幕投手に“指名”。昨季登板ゼロの大ベテランが一躍、開幕投手候補の筆頭になった。ただ、昨季の成績から見れば、18勝を挙げた吉見が大本命。本人も「先発をやっている以上はそこ(開幕)を目指してやるのは当然」と話している。他には昨季、開幕投手を任されたネルソンも候補。川上が自身7度目の開幕投手になるには、キャンプからの猛アピールが必要になる。