セ・リーグが予告先発制の導入を検討していることが3日、分かった。1月下旬にセ6球団の理事らが出席した非公式の会合で、予告先発について意見交換。現在、各球団が現場の意見を聞くなど協議しており、すでに一部の球団は賛成する方針を固めているとみられる。3月1日のリーグ理事会で正式な議題として話し合われる見込みだ。

 セ・リーグはこれまで、全試合で予告先発を実施しているパ・リーグとは一線を画してきた。94年に日曜日の全試合と、巨人-広島のカード限定で実施したが、翌年には打ち切られた。05年に始まったセ、パ交流戦でも、セの意向が反映され予告先発は行われていない。先発予想を1つの楽しみとしてファンに提供してきた。

 しかし、1月下旬に各球団の理事が集まった非公式な会合で集客を増やすための振興策について話し合ったところ、予告先発の話題が出たという。セの理事長を務める中日の佐藤球団代表は「公式の議論はしていないが、今季から導入するのであれば3月1日の理事会で決めないといけない」と、今季から導入する可能性を否定しなかった。

 人気選手が登板する注目カードでは、集客につながるのは間違いない。現在、会合に参加した理事が各球団に案を持ち帰って協議している段階だが、早くも複数の球団から賛同の意見が出はじめている。広島松田オーナーは「(新人の)野村が入って、マエケンとか、復活した大竹を見たいとか、観客動員につながる。いいんじゃないか」と、賛成。ヤクルト小川監督も「賛否両論あるでしょうが、うちの事情からいえば、もし観客動員につながるなら、やってもいいという思いはあります」と、前向きな姿勢を示した。

 一方で、先発を読み合うセ独自の心理戦が失われていくことに、慎重な意見が出てくる可能性もある。各球団が予告先発のメリット、デメリットを検討した上で、3月1日のリーグ理事会で本格的な協議が行われる見込み。セ・リーグの野球が大きく変わる可能性もあり、今後の行方が注目される。

 ◆予告先発

 パ・リーグが83年から開幕戦や日曜日などに限定して実施し、94年からリーグ全試合で採用した。CSはパだけ実施。交流戦では採用していない。日本シリーズは両監督が合意した場合に採用し、98年の横浜権藤-西武東尾、05年の阪神岡田-ロッテ・バレンタインの各監督は合意した。大リーグでは全試合で採用している。