ソフトバンクの新外国人右腕、アンヘル・カストロ投手(29=メキシカンリーグ)が21日、実戦デビューとなった紅白戦で2回を完全に抑えた。昨年首位打者の内川のバットをへし折り、最速は152キロを計測。打者6人で料理した。

 二ゴロに倒れた内川が一塁ベース上で腕をジンジンさせながらプロテクターを外した。「へし折られました。肘から下がなくなったかと思った(笑い)。テークバックが小さく間がとりにくいですね」。初回2死。カストロは1ボールから外角低め150キロで内川のバットにきれいにヒビを刻み込んだ。史上2人目のセ・パ首位打者にきれいな当たりをさせなかった。

 自慢の直球は2回に打者中村への3球目に152キロをマークした。肌寒さが残る中、秋山監督も「肩はできているな」とうなった。自己最速は158キロ。「日本で記録を出したい」と、クルーン(元巨人)の162キロ超えに色気を出したのもうなずける。「これから暖かくなるしもっとスピードは出るよ」と話した。

 今後は先発調整が基本。それでも「ドミニカ共和国では先発も中継ぎも抑えもやった。いい結果を出したいので必要とされた場所で投げる」と話す。外国人4枠のうちファルケンボーグとペニーは有力。その場合、残る投手枠は1で、同じく新外国人のピント、陽耀勲と争う。「日本の野球に必要なことができないと1軍に残るのは難しくなる。同じ力なら総合力の高い選手」と高山コーチ。競争の激化は必至だ。【押谷謙爾】

 ◆アンヘル・カストロ

 1982年11月14日、ドミニカ共和国生まれ。06年にドラフト13巡目で米大リーグ・タイガースに入団も、メジャー昇格はない。昨季はメキシカンリーグのサルティージョでプレー。今オフにソフトバンクが大隣を派遣したドミニカ・ウインターリーグでスカウト。1年契約で年俸1200万円。180センチ、91キロ。右投げ右打ち。