右肩痛のため出遅れていたソフトバンク明石健志内野手(26)が、今宮との遊撃争いで猛烈なアピールだ。23日に行われた紅白戦2戦目も3打数3安打の固め打ち。A組に合流した21日の2安打を合わせると6打数5安打と勢いは止まらない。「バランス良くバットを振れています。振りに行ったところにうまくバットが出ている感じです」。25日の広島とのオープン戦の先発も見えてきた。

 自慢の俊足も見せた。1打席目では右中間を抜ける打球を放つと、一気に三塁打へ。「ちょっとひっかかった感じだったんですけど」と打球自体は会心の当たりではなかったが、迷うことなくベースを駆け抜け三塁打につなげた。7回には一塁で次打者の投ゴロで併殺を取りに行った送球よりも早く二塁へ到達。「とにかく走りたいんです」と武器を存分に生かしている。

 試合前日の休日も、紅白戦の後もマシンを相手にひたすら打ち込んだ。何よりも大切にするのは自分の感覚。「感覚が狂うから」と他人のバットを握ることはない。遊撃手を争う今宮は無安打2三振。「今宮のことは気にならないです。やらなきゃいけないことが多いので、やることをやって結果を出さないと」とライバルを気にするよりもまずは結果。注目のポスト川崎の答えが出る開幕スタメンへ、走り続けるだけだ。【前田泰子】