中日ドラフト1位高橋周平内野手(18=東海大甲府)が24日韓国LG戦(北谷)でプロ1号を放った。初の4番三塁で出場。相手左腕の崔成勲投手(22)のカーブを右翼席にたたき込んだ。

 実戦8試合、28打席目。0-0で迎えた4回1死の第2打席。カウント1ボール2ストライクと追い込まれてから粘った。際どいコースはファウルし、ボール球は見極め。相手が根負けした10球目。浮いたカーブを逃さなかった。

 初めて4番を張って、先制のV弾。「4番とかは意識せず自分のできることをしようと。10球見れたのもよかったです」と冷静だった。記念弾を目撃した900人のファンはどよめき、指笛と拍手。「打球は見てなかったですが、雰囲気で分かりました」とムードでアーチを確信した。

 これまでは3番だったがこの日はメンバー構成上、主砲が不在。高木監督が「じゃあ4番にしとけ」と抜てきした。1、2番を荒木、井端が打ち、5番に谷繁。並の18歳ルーキーならビビるところだが、重圧はみじんもなかった。「いろんなバットを試したい」。宿舎で同部屋の松井佑からバットを拝借して使用。井端との初三遊間も難なくこなした。辛口の高木監督もほめまくった。

 「きれいに振り抜けた見事な1発。これだけの内容を出してるんだから3月も使っていきますよ」。指揮官が3月のオープン戦に帯同すると明言。規格外高校生が開幕1軍を視界にとらえ、定位置争いにも参戦する勝負に挑む。【松井清員】

 ◆高橋周の高校での本塁打

 東海大甲府(山梨)3年の昨年5月、春季関東大会終了までに高校通算59本塁打。最後の夏を前に量産し、7月2日の横浜(神奈川)との練習試合で2発放ち、横浜・筒香(現DeNA)の69本塁打を超える70本塁打の大台に。同月の山梨大会ではマークも厳しく不発、準々決勝で敗れ甲子園は3年間届かなかった。だが高校日本代表となり8月28日からのアジアAAA選手権に出場。9月1日、決勝の韓国戦3回に横浜スタジアム右中間へ特大の先制2ラン。木製バット使用が義務付けられた大会で「高校野球をやってて一番いい当たりだった」と通算71本塁打で最終戦を終えた。