実戦漬けで、開幕センター奪取だ!

 阪神ドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)が、実戦で徹底的に鍛えられることになった。片岡打撃コーチが6日からの福岡遠征で、教育リーグ→オープン戦の1日2試合に出場させるプランを明かした。レギュラーが確定する見込みの3月下旬まで、試合を通してアピールを続ける。

 キャンプを完走した伊藤隼に、新たな英才教育プランが用意されていた。中堅の開幕スタメンを勝ち取るために、実戦漬けの生活が待っている。片岡打撃コーチが、1日2試合に出場させるプランを明かした。6日からナイターでオープン戦・ソフトバンク2連戦が行われるが、午前中に教育リーグ・ソフトバンク戦に出場させてから1軍に合流させる計画だ。

 片岡打撃コーチ

 どっちかに出る可能性はある。主力が出てくると、若い選手の出場機会が少なくなる。(親子ゲームは)雁の巣に、甲子園の時もあるから。

 伊藤隼のキャンプ中の実戦成績は24打数5安打。大学NO・1スラッガーと評されたが、プロの壁にぶつかっている。より多くの実戦経験を積ませるとすると、10日の12時30分開始の教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)に出場させ、13時30分開始の日本ハム戦(甲子園)に途中出場させることも時間的に可能。伊藤隼は実戦漬けを歓迎した。

 伊藤隼

 大変になると思うけど、チーム方針に従うだけです。試合に出ないとわからないことが多い。練習でやったことを試して、課題を見つけて取り組んでの連続だと思います。

 3月下旬が結果を求められるデッドラインになりそうだ。片岡コーチは「だんだん、もう最後の方にはある程度ラインが分かってくる」と話したが、23日のオリックス戦(京セラドーム大阪)あたりからベスト布陣で臨む可能性が高い。それまでにできる限り実戦を積むとなると、3日から20日までの18日間で、最大17試合に出場するプランが浮かび上がる。体調やチーム状況で出場試合が調整されるとしても、できる限り多く実戦の場を踏み、成功へとつなげたい。

 伊藤隼

 今のうちに失敗も多くしておいた方がいいかもしれない。練習する時間もあると思うので、あとは自分次第なんで。

 キャンプを打ち上げ、沖縄から空路帰阪した前夜は、午後10時ごろに寮に到着。その11時間後には早くも始動していた。この日は午前9時から一人、ウエートルームにこもり、黙々とトレーニング。室内練習場での約40分間の打撃練習を加えて、約2時間の自主トレを行った。

 伊藤隼

 ウエートができてなかったので、軽くやろうと思って。

 休んでいる暇はない。そのことを誰よりも伊藤隼自身が感じている。経験を積んだ分だけ、身となり糧となる。ドラ1ルーキーが、開幕センターを全力で奪いにかかる。【岡本亜貴子】