<オープン戦:中日0-2広島>◇4日◇ナゴヤドーム

 雨天、打てん、勝てん…。中日高木守道監督(70)があまりの貧打にぼやき節をさく裂させた。前田健が先発した広島との開幕前哨戦。ほぼベスト布陣をそろえたが、4安打完封負けを喫した。悪天候にもかかわらず3万人以上が本拠地に詰めかけた。高木監督も「今日は打てん(雨天)デーですよ…」とガックリ。本番は大丈夫ですよね!

 いつも温和な表情を浮かべる高木監督が明らかにぶぜんとしていた。ナゴヤドームの5階席に名古屋市内の小学校卒業生を無料招待したこともあり、オープン戦としては異例となる3万2750人の観客。大勢のファンの前で開幕戦の予行練習をしたかったが、終わって見れば4安打完封負け…。高木監督は試合後、選手たちに整列を促すと帽子を取って“ざんげ”した。

 高木監督

 今日はやっぱり打てん(雨天)デーですよ。打線は心配だらけ。なんせ去年打ってないんだから打てる保証がない。まだベテラン連中もそういう(結果を出す)状態じゃないし、若手もアピールするところまでいっていない。

 不安要素が大きくなった。相手の先発マウンドに上がったのは開幕戦で登板が予想される前田健。ガツンとダメージを与えておきたいところだったが、ヒットは和田の左前打だけ。2回1安打無得点に抑え込まれた。さらにはルーキー野村、新加入のミコライオと次々と登場する新戦力にほぼ完璧に抑えられた。

 深刻なのは若手の沈黙だ。キャンプ前から「若手の底上げ」をテーマの1つに掲げてきたが、この日ヒットを放ったのは和田、谷繁、森野、福田。ここまで元気なのは4番争いに闘志を燃やす山崎らベテランばかり。待てど暮らせど鳴り響かない若手のバットにさすがの指揮官もイライラが募ったようだ。

 高木監督

 やっぱり去年は勝ち越しているけど打たれてる。若いいいバッターもいるし、外国人のピッチャーもいい。マエケンもいいし、いい勝負になるんじゃないの。

 侮れない-。高木監督の見立てだ。一般的にこの時期は「投高打低」とも言われる。シーズンを見据えた駆け引きもすでに始まっている。結果だけを見て本番を占うことは早計かもしれない。ちょうど1カ月前に行われた“プレ開幕3連戦”の結果は2勝1敗と勝ち越したものの得点は3、3、0。本番までに、雨雲が晴れると信じたいが…。【桝井聡】