広島福井優也投手(24)が5日、「本番予行」で結果を求めることを誓った。明日7日のオープン戦巨人戦(倉敷)での登板が濃厚。フォークも解禁し、全球種を駆使して抑えるつもりだ。開幕2カード目の4月3日からの巨人3連戦(マツダスタジアム)で、登板する可能性がある。G倒で精神的余裕を持って、シーズンに臨む。

 巨人打線相手にも、福井は動じない。苦手意識を問われても「ないです」と即答した。プロ初登板で初勝利を挙げるなど、昨季は3試合に登板して無敗。2年目のジンクスを感じさせない右腕は、強力打線を封じシーズンに弾みを付ける。

 「結果を出して、これで大丈夫という自信が欲しい。試してみたいというより、結果が欲しい。全部出していいと思います。新しい選手もいますけど、村田さんは知っている」

 試す期間は終わった。シーズンまで残り3週間となり、このオフ取り組んできたことが正しかったという確信を求める。これまでは、新球のカーブを試投するなど試行錯誤のマウンドだった。だが、封印していたフォークも解禁する予定。全力で巨人打線を抑えに行く。

 新生巨人の中軸にも、相性は抜群だ。FA移籍した村田修一内野手(31)とは、昨季22打数3安打で打率1割3分6厘と抑え込んでいる。新フォームでも通用するかを、再確認する作業になる。

 「四球を出さなければ、3、4連打はないと思う。打たれて取られる分は良いけど、無駄な点はやりたくない」

 四球撲滅が、長いイニングマウンドに立てる「権利」につながる。球数50~60球が、交代のめどとなる。1イニング15球平均で終えれば、4イニング投げることが出来る。「四球を2個減らせば、いけると思います」。昨季はリーグワーストの68四球を与えたが、「脱力投球」を覚えた今季は改善が見られる。前回登板した2月26日のソフトバンク戦(宮崎アイビー)では、3回を44球で無四球無失点に抑えた。

 昨季は開幕カードの中日戦で2回0/33失点で降板。相性を考慮すれば、開幕2カード目となる4月3日からの巨人3連戦(マツダスタジアム)で、本拠地開幕投手を務める可能性はある。「本番予行」の全力投球で、開幕前に精神的優位に立つ。【鎌田真一郎】

 ◆福井と巨人

 済美高3年時の05年、高校生ドラフトで巨人から4巡目で指名を受け、一時は入団の意思を表明したが、その後入団を拒否。1浪して早大に進学した。プロ1年目の昨季、4月17日の巨人戦(マツダスタジアム)でプロ初登板、初先発。7回6安打2失点で、球団史上8人目のプロ初登板での白星を挙げた。試合後のヒーローインタビューでは「今日も来てくれている両親に、ありがとうと言いたいです」と涙を流した。昨季は巨人戦に3試合登板し、1勝0敗、防御率3・18。