日本ハム栗山英樹監督(50)が、開幕投手を目指す斎藤佑樹投手(23)に、侍JAPANの再現を求めた。15日、千葉・鎌ケ谷で練習を行い、今日16日のDeNA戦(横浜)に先発する斎藤について、10日の東日本大震災復興支援試合(対台湾)での1回無失点の投球と低めへの制球を評価。18日のヤクルト戦(神宮)までに開幕投手を決める方針で、最終テストに向け、侍JAPANの投球と同等の内容を条件に挙げた。

 開幕投手の合格モデルは、侍JAPANの佑ちゃんになる。栗山監督はこの日、DeNA戦で先発する斎藤について「この間(10日)は、本当に良かった。それを続けてもらえれば」と話した。練習試合、オープン戦では登板4試合すべてで失点し、防御率5・14と安定さを欠いた。「心の中でスッと落ちないというか、琴線に触れないというか。これなら任せられるというものがね」。台湾戦前日の9日には「打たれたら殴り倒すしかない。そのくらいのつもりで投げないと」と厳しさも見せた。

 10日の台湾戦は栗山監督が求めてきた内容だった。4番手として6回に登板。1死後に二塁打を浴びたが、後続は落ち着いて二ゴロと空振り三振に打ち取った。それまでの実戦では球が高めに浮く傾向があったが、低めを丁寧に突き冷静にピンチを脱した。「ボールを長く持てたから、直球もアウトコース低めにも投げられていた」と、指揮官も好投の要因を分析。震災復興支援、代表としての試合での好投に「上のレベルにいけば、それなりに投げられるということ。最初からそういう思いで見ている」と、大舞台での強さを認識した。

 首脳陣は、18日のヤクルト戦までを開幕メンバー選考の期限に設定している。斎藤にとっては、今日のDeNA戦が開幕投手をかけた最後のテストになる。この日はブルペンで68球を投げ込み最終調整した。6回80球が目安で「JAPANの時に良かったので、その感覚を継続できれば。結果を求めていきたい。無失点で」と自らにノルマを課した。魂のこもった投球で指揮官の悩みを解消する。【木下大輔】