巨人の巨額契約には、「問題あり」が約8割-。巨人が主力6選手の入団時に計36億円の契約を結んでいたと報じられたことについて、日刊スポーツでは16日、読者に緊急ネットアンケートを実施。2558票の回答が寄せられ、「問題がある」と「ルール違反ではないが、倫理上の問題がある」が約83%の計2121票。球界で申し合わせた新人契約金の「最高標準額」(1億円プラス出来高払い5000万円)が目安だったとはいえ、巨人の契約内容に批判的な意見が多かった。

 球界の申し合わせを大幅に上回る6選手の契約内容に、大多数のプロ野球ファンが、拒絶反応を示した。

 「問題がある」と断言したのが57・5%の1471票。「ルール違反ではないが、倫理上の問題がある」という意見も25・4%の650票に達した。「強ければファンは納得すると考えているのか」(50代男性)、「球界の盟主とか紳士の球団というなら、紳士協定は当然守るべき」(40代男性)。最高標準額の目安を無視した契約内容に、批判の声は続いた。

 一方、契約金額に「問題はない」という意見も14・8%、「判断できない」も2・3%あった。「上限が単なる紳士協定で、抜け道だらけだったことが問題」(30代男性)、「06年まではすべての球団で当たり前のように行われていた」(40代男性)など、球界全体に契約金額の明確な上限がなかったことを問題視する意見もあった。

 「『ルール違反はなかった』という巨人の主張をどう思いますか」という質問にも、「支持できない」が約7割の1840票だった。30代男性は「申し合わせ事項で罰則がないということは、破っても構わないということにはならない。守らなかったことは事実。巨人の主張は言い訳がましくて、正直みっともない」と厳しかった。

 過去の契約問題が表面化したことについて聞いた第3問には、「当然だと思う」が53・2%の1362票。法律的には時効とされそうな昔の話でも、過半数のファンは“風化”を嫌った。「何をいまさら、という感じもありますが、あの球団の考えを変えるには必要かも」(50代男性)、「西武や横浜が問題視された時、なぜ巨人が自分から契約金額を明らかにしなかったのか。いまさらという言葉でうやむやにしてはいけない」(30代男性)という意見もあった。

 少数派だが、巨人の巨額契約を理解する声もあった。50代男性は「規制する方がおかしい。経済原理で払える球団は払えばいい」、20代女性も「巨人では、大型契約を結べるチャンスがある。その夢を子供たちから奪わないでほしい」と希望した。また、開幕前の報道への不快感もあり、20代男性は「ファンや球界が高揚感を持ち始める時期に、この話題はなえる」という意見もあった。

 ◆朝日新聞の報道

 15日付朝刊で、巨人が球界で申し合わせた新人契約金の「最高標準額」(1億円プラス出来高払い5000万円)を上回る契約を97~04年に6選手と結んでいたと、複数の関係者証言と入手した巨人の内部資料をもとに報じた。6選手は高橋由伸、阿部慎之助、上原浩治(現米大リーグ・レンジャーズ)二岡智宏(現日本ハム)内海哲也、野間口貴彦。計36億円の契約のうち、計27億円が最高標準額を超過する内容だった、と伝えている。内部文書は野間口宛てで、「契約金

 7億円」と明記。「判明するとまずいことになる」と分割払いを提示したという。

 ◆緊急アンケート

 巨人6選手の契約問題の緊急アンケートは日刊スポーツのインターネットサイト「ニッカンスポーツ・ドット・コム」で16日午後4時半から同6時半までの2時間で実施された。総計2558の回答の内、男性が約95%を占め、年代別では30代が29・6%、40代が30・4%と高い関心を示していた。