<オープン戦:広島3-5中日>◇17日◇マツダスタジアム

 大砲ニック、開幕ノープロブレム!

 広島の新外国人ニック・スタビノア外野手(29=カージナルス3A)が17日、オープン戦・中日戦で「3番・左翼」で出場し、川上から推定125メートル特大弾を放った。鼠径(そけい)ヘルニアで調整が遅れていたが、この日は走・攻・守でアピール。開幕スタメンに弾みをつけた。

 ニックが、あるべき姿を首脳陣に見せつけた。1点を追う4回だ。マウンドには米国から4年ぶり古巣復帰の中日川上。初球ボールからファウルで3球粘った後の5球目だ。甘く入った外角ストレートをフルスイングすると、打球は125メートル先で跳ねた。188センチ、109キロの巨体で静かにダイヤモンドを1周した。

 ニック

 カワカミは確かに良い投手。ただ、カージナルス時代に対戦した際に、投球をベンチから見ていたよ。

 入団後、野村監督から「打率2割3分でいいから、30発ぐらい打ってほしい」と大砲指名を受けていた。オープン戦2号は、30発ノルマが現実味を帯びる特大弾。ギリギリ柵越えとは別次元の1発に、野村監督も「パワーを見せつけてくれたよ」と笑みを浮かべた。

 心配されていた走・守も、無難にこなした。1回には三遊間へのボテボテの当たりに全力疾走。遊撃内野安打をマークして「100の力で走ったよ」と苦笑い。俊足には程遠いかもしれないが、「一生懸命ベストを尽くす姿勢が伝わった」と指揮官も目を細める。対外試合では初めて守備に就いたが、2度の左飛を難なくさばき、高野手チーフコーチを安心させた。

 ニックは有望株のアメリカンフットボール選手としてルイジアナ州立大に入学した経緯がある。“肉弾戦”はお手のもので、乱闘時にはチームメートを守る覚悟だ。日本の生活にも慣れ「今のところ食べられないものはないよ」と、愛嬌(あいきょう)たっぷりに笑う。鼠径(そけい)ヘルニアで調整が遅れていたのが嘘のよう。元気な姿が心強い。

 30日に控える開幕中日戦の予行演習の意味合いを持つこの日、9回に勝ち越され敗れた。だが“破天荒”をスローガンに掲げるチームに欠かせないニックが、「3番左翼」で開幕に間に合ったのは大きい。【佐藤貴洋】