<オープン戦:阪神1-0広島>◇20日◇レクザム

 待っとったで、男前!

 左脇腹痛でダウンしていた阪神の正捕手藤井彰人捕手(35)が、1軍実戦に帰ってきた。代打登場からマスクをかぶり、開幕ローテーション入りを確実にした安藤と呼吸を合わせた。マートンの開幕絶望に久保・筒井のインフルエンザ発症と暗い話題に見舞われた和田阪神、男前スマイルには癒やされるわ~。

 藤井が帰ってきた。7回裏、小宮山の代打で登場した。沖縄・宜野座キャンプの終盤、左腹斜筋の挫傷で離脱してから約3週間ぶりの1軍実戦。広島大竹の前に鋭い当たりの中飛だったが、正捕手の本領はもちろん、マスクをかぶってから。

 「必要なら首を振ってくれていいから」

 2番手安藤にそう伝えると、8回表からどっしりと本塁の後ろに腰を落とした。それだけで、チーム全体に落ち着きが広がっていくようだった。1死からヒットとボークで二塁に走者を背負った。続く3番石原に対してカウント2ボール1ストライクから、安藤の変化球はベースより大幅に手前でワンバウンドした。だが、藤井は落ち着いて体を前に倒してストップ。ピンチ拡大を防ぐと、石原を三振。栗原を左飛に仕留めて、安藤の好投を演出した。

 「いい緊張感で、久しぶりにプレーできてホッとしています。状況、場面に早く慣れないといけない。体の不安はありません。安藤とのバッテリーはすごくプラスになったし、受けてから(試合に)行くのでは全然違いますから」

 城島が右肘、左膝の状態から捕手を凍結せざるを得ない状況で、開幕から正捕手として期待を受けていた。藤井も信頼に対する責任感をにじませた。故障したのは脇腹という回復に時間のかかる箇所。リハビリ中も「早く実戦に出たい」と訴え続けていた。そして、開幕10日前というタイミングで戻ってきた。

 「今日に関しては無理する状況ではなかったんだけど、どこかで安藤と組ませるよう考えていた。打席でも振れていたし、スローイングも問題なかった」

 完封リレーで広島を下した和田監督は藤井の復帰についてこう話した。故障者や体調不良者が続出して頭の痛い指揮官も、少し表情が柔らかくなった。今日21日広島戦(京セラドーム大阪)では先発マスクで5イニング出場の予定。扇の要がチームに落ち着きをもたらす。【鈴木忠平】