<ヤクルト14-3ソフトバンク>◇16日◇神宮

 ソフトバンクが今季初の4連敗で4位に転落した。今季ワーストタイの14失点。あまりの負けっぷりに秋山幸二監督(50)も突き抜けた。帰り道にスコアボードを見ながら「すごい点数だな」とあらためて落胆。その後、ぽつぽつと言葉をつないだ。

 「山田がな。いらない四球から…」。交流戦過去4戦3勝無敗の山田が、今季最短3回5失点でKO。ヤクルトに逆転されると、坂道を転がるように救援陣も失点した。6回のペーニャと8回の今宮の失策、さらに高谷の捕逸も失点に結びつき、負のスパイラルにはまり込んだ。今後に向けて目をつむる部分もあるが、「若いやつがバタバタしている」と歯ぎしりした。

 打線は1回に5試合ぶりに先制したが、一瞬、見えた明るい兆しはすぐにしぼんだ。ペーニャと松田が猛打賞。内川も3号ソロ。全体で10安打しながら3得点しかできない。秋山監督が「取れるところで取れない」と嘆くようにつながりを欠いたままだ。4連敗中は4戦で41安打。1試合平均10安打は出ている。勝負どころでのタイムリー欠乏症がチームの閉塞(へいそく)感に輪をかける。

 07年5月から続いた神宮での連勝は7でストップ。10年4月23日以来2年ぶりのBクラス。貯金も1となり、負のデータが並ぶ。「個々の打撃内容はいい。線が点になれるように。連敗が続いているので、交流戦初勝利で止めたい」。チームを代表した松田のように今は前を向くしかない。昨年の日本一軍団が厳しい局面に遭遇している。【押谷謙爾】