<広島4-5日本ハム>◇20日◇マツダスタジアム

 日本ハム中田翔内野手(23)が、故郷広島で勝負を決める快音を響かせた。9回、0-4から1点差に詰め寄りなお2死一、二塁の場面で、守護神サファテから左翼フェンス直撃の同点適時二塁打を放った。「ネクスト(サークル)のときから興奮していた。(田中)賢介さんが出て、ボルテージが上がった。絶対打ってやるぞと。打つことしか考えていなかった」。続く稲葉の二ゴロが敵失を誘い勝ち越し。

 9回に一挙5得点の逆転劇に、中田は「2死から5点はすごいこと。ファイターズの打線を誇りに思う」と話した。開幕から不動の4番を任されながら、打率1割6分9厘、3本塁打。適当キャラに見えて、責任感は強い。1本の安打で、浮かれるつもりは毛頭ない。

 故郷の空気は、活力を与えてくれる。広島では昨季も2打席連発を含む1試合4安打5打点の大暴れ。「家族やお世話になった方、いろんな方が応援してくれている。元気でやっている姿を見せられて良かった」。スタンドから声援を送った母香織さんら支えてくれた人々に恩返しした。

 栗山監督は「あそこで打ったことがうれしかった。意味のある試合だった。これで前に進むと思う」。故郷広島での一打を、快進撃のスタートラインにする。【本間翼】