<ヤクルト1-5西武>◇11日◇神宮
西武打線が「誘惑」に負けず、ヤクルト石川を攻略した。投手を含め、右打者を7人並べる対石川オーダーを組み、右打者が9安打中8安打。右打者が石川を攻略するには、外角に逃げるシュート系のボールへの対策がカギを握るが、この日は5安打がそのボールで、全て中堅から右方向だった。24試合制になった07年以降の交流戦新記録となる12本塁打に王手をかける中村剛也内野手(28)にも、誘惑との闘いの跡があった。
1点リードの5回2死二塁、初球の外角低めに沈むシンカーに対し、中村のバットは動かなかった。2球目は内角低めの直球を見極め2ボール。カウントを悪くしたバッテリーは、勝負を避けた。交流戦に入り20戦で11発の量産態勢。この日に1発出れば、交流戦24試合制での新記録達成だった。だが、そんな状況でも石川の「誘惑」には乗らず、冷静にボールを見送った。
石川攻略に向け、渡辺監督は、投手を含め右打者を7人並べるオーダーを組んだ。対戦成績を見ても、石川は右打者の方に打たれるデータはあるが、同時に右打者をわなにかけ、料理する投球術を兼ね備える。強打の巨人打線でさえ、開幕戦で苦しめられた。試合前、安部打撃コーチは、攻略に向け作戦を徹底させた。
安部コーチ
右打者には内角にスライダー、カットボールを見せ球にして、外に抜けてくるシュートやシンカー系のボールで、引っかけさせにくる。狙い球を絞っていくように。
得点を生んだのは、指示通りの打撃だった。3回2死二塁、中村は外角低めシンカーを中前へ運んだ。見逃せばボール球だったが「誘惑球」に対し、強引には振らず、コンパクトなスイングで対応した結果だった。6回1死二塁では、炭谷が外寄りのシンカーを右前へ。投手の岸も外角低めのシンカーを中前に打った。右打者が放った8安打中5本が「誘惑球」を打ったもので、全てが中堅から右方向。お手本通りの「誘惑球」攻略劇だった。
石川対策について、中村は口を閉ざしたが、5回、シュート系のボールを連続で見逃し、2ストライクを取られた中島は「微妙なとこやったんで(手を出さなかった)」と説明。具体的な対策があったかは明かさなかったが、「誘惑球」への見極めの意識があったことをうかがわせた。
左方向に2本の安打を放った片岡は内角のスライダー系のボールを引っ張ったもので、これも指示通り。安部コーチは「各打者が狙い球をしぼって、対応してくれた」と評価した。【久保賢吾】



