<ロッテ5-8阪神>◇16日◇QVCマリン
こんな展開を待ってました。3回までに大量8点を奪取!
虎党を夢見心地にさせてくれたのは“千葉男”クレイグ・ブラゼル内野手(32)だ。初回に先制の3点二塁打を放つなど3安打4打点の暴れっぷり。着火した打線の勢いは雨でも衰えず、先発全員安打となる今季最多16安打でロッテを粉砕した。交流戦は宿敵巨人がセ界初制覇したけど、阪神だって巻き返す。
千葉の降水確率は80%前後。雨がしとしとグラウンドに降り注ぐ。ブラゼルは灰色の空へ、急げとばかりに大飛球を飛ばした。抜群の「状況判断」だった。
ブラゼル
こんな天候なので、どんな形でも早く先制点が欲しかった。
1回2死満塁。その初球、香月の外角高めチェンジアップを強引に振り抜いた。右中間深くまで打球を運び、走者一掃の先制二塁打。「みんなが塁に出てくれたから。全員で勝ち取った3点さ」。虎に主導権を与える値千金打となった。
2日前の14日、阪急阪神ホールディングス株主総会が大阪市内で行われ、株主から不満が噴出した。「若手が育っていない」と指摘され、FA獲得した大物選手を「不良債権」と表現され、マートンの覇気のなさも話題に…。納得してもらうには白星を積み重ねるしかない。そんな状況下でB砲が猛爆を呼び、1発回答を示した。
チームが苦境に立たされた時、よりパワーがみなぎる。米国でメッツに所属していた04年9月25日、本拠地シェイ・スタジアムでのカブス戦。ブラゼルは延長11回裏、メジャー初本塁打をサヨナラ弾で決めた。絶対に負けられない一戦だったと振り返る。
ブラゼル
大スターの強打者ピアザに代わって一塁守備に就いてね。実はその試合、カブスにとっては勝てばプレーオフが決まる試合だった。本拠地ニューヨークで絶対に決められたくなくてね。打った後はみんな本当に喜んでくれたよ。
この日も虎を救った。2回にも中前適時打を決め、序盤3回での8得点をけん引。5月27日西武戦以来の猛打賞で4打点。今季初の先発全員安打&今季最多16安打を導いた。阪神入団後はQVCマリン計7試合で28打数12安打の打率4割2分9厘、4本塁打、11打点。09年は3球連続で自打球を膝に当てた直後に1発、10年は唇裂傷の痛みを堪えて1発…。「千葉男」は今年も健在だった。
ブラゼル
今日は全員で16本打ってチーム一丸で勝てた。もし自分ならこんな雨の中、スタンドで応援できないと思う。タイガースファンはイチバンだよ。
雨に打たれながら、ヒーローインタビューで声を張り上げた。マートンの暴言騒動に株主の不満…。平たんとは言えない道のりの中で2連勝。借金を1まで戻し、苦しんだ交流戦も今日がラスト。虎戦士はグラウンドで「答え」を表現する。【佐井陽介】



