「九州のダルビッシュ」が七夕にデビューする。ソフトバンクのドラフト1位武田翔太投手(19)が7日の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発デビューすることが3日、わかった。チームで高卒ルーキーの1軍先発は08年の岩崎翔投手(22)以来。かつての「ダルビッシュの庭」札幌で、ビッグルーキーがベールを脱ぐ。

 7月反攻へ、ルーキーのフレッシュパワーがチームに勢いをつける。武田のデビューは札幌2戦目となる7日。七夕に、ニュースターが誕生する。

 高卒ルーキーの先発は08年の岩崎以来。交流戦後の先発候補として有力だった3年目左腕の川原は調子が上がらず、ルーキー武田に白羽の矢が立った。

 宮崎日大では最速151キロの直球と多彩な変化球を駆使して「九州のダルビッシュ」と騒がれた。ドラフト1位入団で、1年目の1軍登板は確実視されていた。5月1日の3軍戦で“プロ初”マウンドを踏み、ウエスタン・リーグでは4試合に登板。うち3試合で先発して防御率は1・59。20日オリックス戦(神戸第2)では自己最速を更新する152キロをマークした。「ここまでイメージ通りに来ています」と順調にステップを上がってきた。

 6月26日のウエスタン・リーグ中日戦では福岡ヤフードームも体験した。先発し5回を投げ、プロ初本塁打を浴びるなど2失点だったが、1軍昇格への最終テストで「合格」の判定が下された。武田は「(昇格については)まだ分かりません。もしチャンスが来たら結果を出したい」とデビューを待ち望んでいる。

 同じ高卒ルーキーの楽天釜田はひと足先に1軍で3勝している。「刺激になります。同年代だし負けたくないという気持ちはあります」とライバル意識も見せた。4年前の岩崎は勝利を挙げられなかったため、勝てば02年寺原(現オリックス)以来、チーム10年ぶりの高卒ルーキーの勝利という快挙もつかみ取る。

 今季5勝の新垣が1日に登録抹消された苦しい台所事情もある。「心身ともにリフレッシュさせるためにも間を空けて、2軍で時間をかけて調整させたい。後半戦のキーマンになる投手なので」と高山投手コーチは新垣の復帰を急がせない。10日からは9連戦も控えており、投手陣の整備に若い力の台頭は大歓迎。将来のエースを目指すビッグルーキーが、かつてのダルビッシュの本拠地から1軍のスタートを切る。<武田翔太(たけだ・しょうた)アラカルト>

 ◆生まれ

 1993年(平5)4月3日、大分県別府市。小1のとき宮崎市へ転居。

 ◆球歴

 住吉小3年のときに野球を始め、住吉中で本格的に投手になる。3年のときに県大会で優勝し九州大会出場。宮崎日大では1年秋からエースで、同年秋の九州大会出場。3年夏は宮崎大会8強。11年ドラフト1位で入団。

 ◆軟体

 柔軟な体は格闘家のヒクソン・グレイシー並み。肩周りは肩甲骨や関節を自在に動かせる。

 ◆7色の変化球

 直球に加え、カットボール、スラーブ、カーブ2種、スライダー2種、チェンジアップ、シュートと多彩な変化球を投げ分けることから、高校時代から「九州のダルビッシュ」と騒がれた。

 ◆読書家

 高校入学後に心理学を勉強し、心理学関係の本を20冊以上読んだ。

 ◆サイズ

 187センチ、84キロ。右投げ右打ち。