DeNA春田真オーナー(43)が辛口採点で奮起を促した。22日、横浜スタジアムで行われた全体練習を視察。借金22の最下位で折り返したチームに「借金が多すぎる」とハッパを掛けた。中畑清監督(58)も後半戦最初のカードとなる巨人2連戦で、新外国人ボビー・クレイマー投手(32)を先発に起用することを示唆。不振の筒香嘉智内野手(20)の再生にも着手し、借金返済に向けた再スタートを切る。

 一塁側ベンチで全体練習を見守った春田オーナーは、時折笑顔を交えながら前半戦のキヨシ采配を振り返った。「(借金)22個は多いやろ。勝ってほしいね。あと10個勝ちが多かったらね」。新球団として初めて臨むシーズン。10勝上積みの借金2は無理としても、昨年より3つ借金の多い26勝48敗6分けに終わった前半戦は、当然ながら満足いくものではなかった。

 特に気にしたのは広島戦。1勝11敗と大きく負け越し、「1つのところにやられすぎ。何でだろうね」と渋い表情。中盤までは5位と背中も見えていた相手だが「気が付いたら3位にいっちゃったし」と悔しさをのぞかせた。さらに、取りこぼしが多かったことも指摘。8回に5失点し逆転負けを食らった11日ヤクルト戦を引き合いに出し、「あの試合は勝てた。あそこで畠山の満塁本塁打はないよ」と、勝てた試合を落としていることを嘆いた。

 そんな辛口採点のオーナーとグラウンドで顔を合わせた中畑監督。「見たまんまです」とキヨシ節の“オーナー報告”で笑いを誘ったが、巻き返しへ手をこまねいてる暇はない。後半戦最初の相手は因縁の巨人。初戦に国吉、そして2戦目には新外国人左腕クレイマーを先発に送り込む。

 「自滅する雰囲気の投手じゃない。ファンも多い環境で燃えてくれるタイプかどうか」。東京ドームでは今季未勝利。「本当の意味で決別というかね。あそこ(東京ドーム)で勝たないと意味がない」。打つ方では、不振の筒香の再生にも乗り出した。高木由2軍打撃コーチを専任コーチに任命し、29日阪神戦まで1軍に同行させる。

 練習後は監督、コーチに春田オーナー、池田社長を交え、後半戦への決起集会が開かれた。28日阪神戦(甲子園)を視察予定の春田オーナーは、「阪神に3つ勝てへんかな」。現在の6ゲーム差を1つでも縮めて敵地に乗り込めるか。まずは巨人たたきで勢いに乗りたい。【佐竹実】