広島梵英心内野手(31)が今オフに右膝を手術することが3日、明らかになった。広島市内の病院で「右膝半月板損傷」と診断された。昨年に左膝を痛めて、「膝蓋骨(しつがいこつ)骨挫傷」と診断されて途中離脱。右膝もプロ入り前に手術した経験がある。術後の全治は不明。今季22失策と苦しんだ守備の要が一大決心をした。

 右膝への負担は半端ではなかった。シーズン終盤に差し掛かって悲鳴を上げた。梵は「右膝です」と手術箇所を言葉少なに語った。診断結果は「右膝半月板損傷」。この日は、マツダスタジアムでキャッチボールなど軽めの練習をこなした。

 報告を受けた野村監督も悲痛な思いだった。「手術する前の事前検査だった。シーズン中で無理してもらった部分もある」と練習後に話した。

 昨年、6月に左膝を痛めて離脱。「膝蓋骨(しつがいこつ)骨挫傷」と診断された。リハビリ中に痛みが再発して、その年の残り試合を棒に振った。

 そんな左膝をかばっての今季だった。135試合に出場。打率2割4分6厘、10本塁打、52打点の成績を残した。打点はチームトップ。一方で、リーグ2位の22失策を記録するなど守備では精彩を欠いた。

 右膝の違和感を抱えたのは開幕前後からだった。特にナゴヤドームなどの人工芝の球場では右膝の踏ん張りが利かなかった。遊ゴロの処理に膝をかばいながら補球する姿を見せることもあった。石井チーフトレーナーは「試合に出られなかったり調子が悪いのは、人工芝の球場で試合した後が多かった」と振り返る。

 プロ入り前に手術した場所に再びメスを入れることになる。同トレーナーは「手術の方向で対応を検討している。外科的な処置が必要な状態だと認識している」と説明した。

 梵本人の意向もあり、野村監督は残り5試合を出場させる予定で、シーズン終了直後に手術を受ける流れだ。「感覚的には大丈夫と聞いている」と話した。プレーへの不安を解消するため、梵は大きな決断に踏み切る。【中牟田康】