バッタ、バッタと打者をねじ伏せる。DeNAから移籍してきたソフトバンク江尻慎太郎投手(35)が15日、宮崎秋季キャンプ合流2日目で「バッタの江尻」と異名をつけられた。

 球場外周の坂道をダッシュ練習中に足元にいた昆虫のバッタを捕まえ、小学生たちに「ホイッ」と見せ驚かせた。その俊敏な動きに子どもたちが「バッタの江尻」「バッタの神様」と目を輝かせ、サイン色紙にも「バッタ」とリクエストしてきた。江尻も「『00』は背番号じゃなくてバッタの目。オレはバッタモンじゃねーよ」と乗り乗りで、さっそく強烈なイメージを残した。

 今季は右肩痛の影響で7月に2試合しか登板していないが、09年にサイドスローに転向し、中継ぎとして45、56、65試合とタフネスぶりを発揮。「求められたところで投げるだけ。どんなにボロボロになっても投げます。福岡ヤフードームで死にます」とバッタり倒れるまで投げ続ける覚悟だ。この日も強めのキャッチボールなどで右肩の健在ぶりをアピールした。

 トレード通告された5日は、娘の私学の小学校の合格発表と重なった。合格した娘のためにも35歳右腕は家族を東京に残し、単身赴任で福岡へ。勝利の方程式に入り、秋には娘から「がんバッタね」と祝福される活躍を誓った。【石橋隆雄】