中日田島慎二投手(22)が17日、生涯リリーバーを熱望した。今季は新人ながら竜投最多の56試合に投げ5勝3敗30ホールド、防御率1・15の好成績。勝利のバトンをつなぐ救援一筋でチームを支えた。とはいえ、投手たる者、先発こそ花形では?

 だが、肝っ玉ルーキーはそのサインに首を振った。

 田島

 やりたいのは後ろですね。先発だと何日か試合を離れるけど、中継ぎは毎日試合に入れる。いっぱい投げられる方が面白いし、性格的にそっちが合ってると思うんです。リリーフ一筋も面白いと思います。

 先発の場合、今季チーム最多の山内でも24試合。144試合中の6分の1だ。でも中継ぎなら100%、全試合ベンチ入りが可能になる。ブルペンから一緒に戦い、ほとんどが勝敗を左右する場面。今季任されたセットアッパーで、シビれる感覚にハマったという。

 夢を抱けるのも、頼もしい先輩の存在があるからだ。岩瀬は99年の入団以来、救援一筋。14年連続50試合登板など、12年は推定4億5000万円で球界最高年俸に上り詰めた。来月6日からは岩瀬と同じ鳥取で初めて自主トレを行う。「盗めるものは何でも盗みたい」と、2世襲名に貪欲だ。

 この日は、名古屋市内の享栄幼稚園を自身の卒園以来、16年ぶりに訪問した。当時の「慎ちゃん」はイタズラっ子で「よく怒られていた」という。先日賞品でもらったベンツでさっそうと登場すると先生や保護者の喝采を浴びた。「ここに通っていた時は幼稚園バスだったのに」と笑わせ、園児とのモチつきに参加。「この子たちの目標にされる選手になりたい」と誓った。球史に残る名リリーバーへ。かわいい後輩のためにも、岩瀬2世を受け継ぐ。【松井清員】