投手陣よ、なれ合いを排除しろ!

 中日谷繁元信捕手(42)が21日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み1000万円アップの1億9000万円でサインした(金額は推定)。交渉を終えたベテランは「うちのピッチャーは仲がいい。仲悪くなれとは言わないけど、もっと競争しろと言いたい」と厳しい口調で話した。今季は吉見(13勝)に次いで山内(10勝)が2桁勝利を挙げた。激しいチーム内競争が活性化につながった。若き日の自分を思い返せば、出場機会を得ようと、目をぎらつかせていたはず。「とにかくみんな競争して、ナゴヤドームのマウンドは俺が投げるという気持ちを持ってほしい」。戦う集団としての誇り、緊張感を求めた。

 自身の記録には無関心だった。あと31本に迫った2000安打についても「元気であれば、そのうち打てる」とさらり。来季はプロ野球人生の節目となりそうだが、「いつも通り自分らしく、自分の仕事をするだけ」。何よりもペナント奪還を最大の目標に挙げた。

 この日はちょうど、42歳の誕生日と重なった。報道陣からケーキとシャンパン、ワインを贈られて「生まれた年のワインだったらうれしいんだけど…ガッハハ」と豪快に笑い飛ばした。戦闘集団になれ合いは不要。ストイックに勝利を追い求める。25年目のシーズンに向かう谷繁の姿勢はぶれない。【桝井聡】