88年度生まれのプロ野球選手でつくる「88年会」が5日、仙台市内の運動施設に集結。宮城、岩手、福島の被災3県を中心に集まった小学生約360人と触れ合った。

 子どもたちの笑顔が、心を熱くさせた。日本ハム斎藤佑樹投手(24)は「楽しかったです」と声を弾ませた。一緒にストレッチし、玉入れも楽しんだ。野球教室ではバットを手に、ノックも打った。「あらためて、人に教えるのは難しいなと感じた」。苦笑いで振り返ったが、身ぶり手ぶりを交え、野球の楽しさを伝えた。

 真剣なまなざしで話を聞く少年少女を見て、決心した。プロ野球選手として、活躍する姿を見てもらいたい。「しっかり、(小学生の)目に焼き付けないといけない」。目指す活躍の先にある1つが、被災地での初勝利だ。過去2年、斎藤は東北で勝っていない。大きな壁となったのは、06年夏の甲子園決勝で名勝負を繰り広げた楽天田中。Kスタ宮城では計4試合に先発も0勝2敗。いずれも同学年のライバルに敗れた。

 悩まされ続けた右肩痛も順調に回復している。「大丈夫だと思います。もう、投げていますよ」。キャンプインとなる2月1日のブルペン入りも「そこを目指します」と鼻息は荒い。今年こそはプレーで勇気を-。巻き返しを期す3年目へ向け、心新たに再出発を誓った。【木下大輔】