日本ハムは19日までにドラフト1位の大谷翔平投手(18=花巻東)の起用法を固めた。野手として出場する場合は、指名打者(DH)を除き、外野手に専念する方針。内野手に比べて、投手との二刀流を行いやすいことに加え、チーム事情も加味した。この日、沖縄・国頭で行われた全体練習後の特守は外野手に限定され、今後は内野手練習には入らない。

 全体練習終了後の特守で、大谷は外野に入って約50分間ボールを追い続けた。「(練習)量は高校のときの方が多いですけど、1つ1つの動きをここまで考えてやるっていうのはなかったです。(雨で)ぬれた芝でやるっていうのも大事なことだと思います」。花巻東でも経験したポジションだが、1球1球丁寧に動きを体に染みこませた。

 二刀流への挑戦が、第2段階に入った。栗山監督は遊撃手構想を掲げ、ここまで大谷は内野ノックや連係プレーに参加してきた。だが、首脳陣は野手では外野手に専念させる方針を固め、当面、内野手練習は封印。投手プラス外野手として、1軍デビューを目指すことになった。

 2安打デビューを果たした17日の紅白戦が、外野手構想に拍車をかけた。「もう少し苦労すると思うけど、うまく対応していた」と西2軍監督兼内野守備コーチ。開幕ローテ争いをしている谷元の直球系と左腕斉藤のカーブを打ち返した打撃や、次の塁を狙う走塁で、ポテンシャルの高さをあらためて示した。

 チーム事情もある。糸井がトレードで抜けた右翼手争いは、DeNAから移籍の北が左肩関節の脱臼骨折で離脱し、1軍実績が乏しい谷口、近年は出場機会に恵まれていないオリックスから移籍の赤田らの争い。高卒ルーキーらしからぬ打撃、走塁を見せている大谷が、割って入る力は秘めている。

 2軍キャンプは22日に打ち上げとなるが、大谷はその後、1軍の沖縄・名護キャンプに合流することも検討されている。何より方針転換が球団の“本気度”の表れ。「バッティングは今日が一番よかったですし、順調だと思います」と話した大谷は開幕スタメンという夢物語に、ほんの少しだけ、近づいた。【本間翼】