前哨戦は快勝だ。ソフトバンクのドラフト1位東浜巨投手(22=亜大)が4日、都内で「NPB新人選手研修会」に出席し、インタビュー対応で巨人菅野、日本ハム大谷、阪神藤浪との「ドラ1対決」を制した。野球中継の名物アナウンサーから完璧な回答を絶賛された右腕は、次回9日のオープン戦ロッテ戦(ヤフオクドーム)でも快投する。

 研修の5時間目は「話し方、インタビューへの対応」だった。4人の「ドラ1」によるインタビュー実演が設けられ、東浜はトリで壇上に登板。ボールをマイクに握りかえると「この世界に入った以上、1年でも長く現役を続けることが大事です…」などよどみなくしゃべり続けた。会場全体に湧いた拍手が、早くも勝者を認めていた。

 インタビュアーを務めた野球中継の第一人者、元ニッポン放送アナウンサーの深沢弘氏(77)は絶賛の嵐だ。「声が明るく、でかい。スピードがある!」。声の小さい菅野に「口を指2本分、開けるとベストの声になる」など、注文がついた他の3人とは別格だった。講義を終えた同氏は「1番は東浜君。元気で明るい。楽しみにしてきたが、想像通り」と褒めちぎった。

 参加した新人79人の中できっちり存在感を出した。研修後、報道陣からこの話題を向けられると「皆さんに鍛えられましたから」と返し、笑いを誘う余裕までみせた。また「これからの生活、何かあったときに講習が役立ちます」と、元広島、阪神の金本氏ら6人の講師の話を熱心に書き残した。引率した編成・育成部の永井ディレクターは「僕らは何もしなくていいほど完璧」と感心しきった。

 「テレビ越しでしか見たことがない人と直接会うことができた。ライバルになると思うし、身が引き締まるところがあります」。言葉は控えめでも“前哨戦”は快勝だ。本職については、次回は9日ロッテ戦の登板が決定。前回1日のWBCキューバ代表戦で2回7安打4失点と崩れており「真っすぐの力をもう少し上げたい。質の部分です」。満点回答に続き、こちらも快投を狙う。仮に中6日でローテーションを回れば、開幕2戦目にあたる。ちょうど土曜日。「サタデー東浜」「サタデー巨」の肩書と爽快なトークで、お立ち台を彩る日は近いかもしれない。【押谷謙爾】