<オープン戦:阪神0-8ヤクルト>◇13日◇甲子園

 「ヤクルトのライアン」ことドラフト2位小川泰弘投手(22=創価大)が、阪神との開幕3戦目(31日、神宮)の先発に浮上した。前哨戦となるオープン戦に先発。足を高く上げる豪快なフォームから、140キロ台の直球とフォークなどの変化球を投げ分けて5回を無失点。これでプロ入り後の対外試合は14回連続無失点となった。

 小川監督が「安定感を非常に感じますね。内容、結果ともに一番いいでしょ、彼が」と絶賛する「ミスター0」の台頭により、開幕ローテの選択肢も広がってきた。昨季、阪神に勝ち越した先発投手は館山(4勝)のみ。「阪神には館山ぐらいしか(好相性投手が)いないからね」と語っていただけに、小川の開幕カード起用にも「今日、良い投球をしているからね。なくはないんじゃないですか」。開幕投手には5年連続2ケタ勝利の館山、2戦目はエース石川が有力。村中は2カード目初戦の4月2日広島戦(マツダ)の見込みで、開幕3戦目には赤川やロマンのほか、ライアン抜てきの可能性も出てくる。

 それでも本人は至って冷静だ。高3のセンバツ以来の甲子園にも「懐かしい感じ」と過度に浮かれず打者に集中。阪神打線を3安打に封じても「補強もあって切れ目のない強力打線。打ち損じもありましたし改善すべきところはある」と自己評価は厳しかった。「まだオープン戦。相手もノーデータで戦っているし何とも言えない。喜ばず次につなげたい。ローテに選ばれたらうれしいですし、チームのために準備したい」。新人離れした落ち着きで、常にしっかり足もとを見据えている。【浜本卓也】