お帰り井端様、5番で開幕!

 中日高木守道監督(71)は20日、WBC日本代表で無類の勝負強さを発揮した井端弘和内野手(37)を開幕から5番遊撃で起用する方針を打ち出した。ナゴヤドームで復帰会見をした井端も力強く呼応。ポイントゲッター不在のチームは85年以来、28年ぶりのオープン戦8連敗と緊急事態。侍の救世主に頼るしかない!

 待ち望んだ男がナゴヤドームに帰ってきた。スーツ姿の井端が、指揮官の5番起用にすぐさま反応した。

 「チャンスで回ってくるイメージがある。大きいのは打てないけど、より勝負強くならないといけない」。緊迫したチーム状態を知るからこそ、言葉には力がこもった。

 サンフランシスコから、前日19日に帰国した。東京で1泊し、この日新幹線で名古屋に戻った。名古屋駅で坂井球団社長らの出迎えを受け、ナゴヤドームに直行。目の前で戦うチームはオープン戦8連敗と苦しみ、最下位フィニッシュすらちらつく惨状だった。

 試合後に高木監督が井端の起用法について「私は5番を考えとるんやけどね」と構想を明かした。WBC2次ラウンドのMVP、大会を通じて打率5割5分6厘と暴れ回った侍のヒーローに「あれだけ頑張った選手が来たら、多少はピリッとするやろ」と起爆剤として期待。4番プランも口にしたことがある指揮官だが、今回は目がマジだ。

 1、2番のイメージが強い井端だが、プロ15年間で4番と9番以外は先発出場の経験がある。昨季は5番で最も多い72試合にスタメン出場し、打率2割8分6厘、26打点、2本塁打だった。チャンスメークだけではない。日本中を熱狂させたその勝負強さに、乗らない手はない。

 実戦は明日22日ロッテ戦(ナゴヤドーム)からになりそうだ。開幕まであと3試合。本気モードのメンバー表に5番井端の名前が並ぶことになりそうだ。

 「ああいう場面であんな体験が出来て本当にありがたい。勢いをつけて来たので勝ちにこだわりたいし、勝ちに貢献したい」

 侍でその名を上げた、神様、仏様、井端様。次は苦しむチームを救って下さい!【桝井聡】