<日本ハム0-6ソフトバンク>◇6日◇札幌ドーム

 本拠地・札幌ドームの開幕カードに、まさかの悲劇が待っていた。リーグ連覇を目指す日本ハムは、先発のブライアン・ウルフ投手(32)が3被弾で6回5失点。ソフトバンクに2連敗を喫し、最下位に転落した。単独最下位は2010年6月25日以来3シーズンぶりで、栗山英樹監督(51)が指揮を執ってからは初めて。整備できない先発投手陣に、ちぐはぐな打線。昨季覇者が早くも壁に直面している。

 試合終了から約1時間。ようやく報道陣の前に姿を現した栗山監督は、現在の心境を問われるとしばらく宙を見つめ「今の気持ち…、今の気持ちは…、苦しい」と、やるせない思いを吐き出した。チームにとっては3シーズンぶり、栗山体制になってからは、もちろん初の単独最下位。本拠地開幕カードで起こった悲劇に「申し訳ないというか、痛い。最下位は最下位。現実を受け止めないといけない」と、口元をキリリと結んだ。

 かつてリーグ1、2位の防御率を誇った投手王国も、再建の時を迎えている。開幕から7試合を終えて、先発勝利を挙げたのは木佐貫の1人だけ。チーム防御率は5点台に迫る勢いで、勝ちパターンの救援陣へつなぐ前に、試合が壊れてしまうケースが目立つ。この日も、先発のウルフが序盤から失点を重ねた。昨季26試合でわずか2被弾だった右腕が、この1試合だけで3被弾。1回に今宮、2回には江川と伏兵に1発を許し、6回には柳田に決定的な2ランを打たれた。オープン戦で12球団2位の防御率1点台を誇ったウルフが、まさかの崩壊。「球自体は悪く見えない。要因をあぶり出していかないと」と首をひねった栗山監督は「(先発投手で)誰も状態が上がってこないのなら、それはオレに責任がある」と自分を責めた。

 守り勝つ形こそが、日本ハムの持ち味だったはず。「早く落ち着いて戦える形にしたいけど、なかなか、そうならない」。リーグ連覇を目指す指揮官の苦悩が、言葉の端々ににじんでいた。【中島宙恵】