<楽天9-2ソフトバンク>◇18日◇Kスタ宮城

 ソフトバンク東浜巨投手(22)が2戦連続となる序盤大量失点で2軍降格が決定した。初回に自らの失策で1点を失い、2回にはジョーンズの3号3ランを含む5失点。毎回走者を出す投球で5回8安打6失点。プロ初黒星を喫した。打線は11安打も得点はラヘアの4号2ランのみ。チームの連勝は4でストップし、借金2で再び5位となった。

 小雨の中、帰りのバスへ乗り込もうとする東浜をチームマネジャーが大声で呼び戻した。ダッシュで球場へ戻ると、首脳陣から2軍降格を通告された。再びバスへ戻ってきたドラフト1位の目元は雨か涙か、少し潤んでいるようにも見えた。

 「自分のボールが投げられていない。まだちょっと…。コントロールできていない。結果がすべてです。修正点はありますけど、そこまでも行っていない」

 初回、無死二塁から2番藤田の投前バントを一塁へ悪送球し、先制を許した。「自分で自分の足を引っ張った」と悔やんだ。2回にはさらに1点を失い、なお2死二、三塁。フルカウントから130キロのスライダーを左中間最深部へ低いライナーで運ばれた。「曲がりきれていない。甘かったですね」。メジャー通算434本塁打の大砲が逃すはずはなかった。

 初登板だった前回11日オリックス戦でも初回、2死からバルディリスに満塁弾を許した。今回も2死からの1発で大量失点。4連勝中だった打線もいきなり6点を追いかけるのはきつかった。

 5回まで毎回走者を出しながらも投げ続けた。だが抜群のはずの制球力は戻らず高く乱れたまま。秋山監督は「球を操るというか、まだまだだな。(課題は)たくさんありますよ」と、宿題を与えて2軍での出直しを命じた。

 前回登板後は緊張のあまり体が張り、ブルペン回数を2度から1度に変更。入る日も前日から2日前にするなど、試行錯誤が続いている。郭泰源投手コーチは「プロでの調整方法がまだ分かんないんじゃないかな。東浜は5月、6月に状態がよくなって来ると思う。まだ直球が走っていない」と話した。

 まだ4月。まだプロ2戦目だ。壁を乗り越えられる力もある。自信を取り戻し、たくましくなって1軍に帰ってくる。【石橋隆雄】

 ◆東浜のプロ初登板

 4月11日オリックス戦(ヤフオクドーム)で先発。初回、先頭打者が遊失で出塁すると立て直せず、バルディリスに満塁弾を浴びるなど5失点。新人が初登板で1イニングに52球を投げるのは史上最多の記録だった。結局3回1/3を7安打5四死球6失点(自責1)。打線の反撃で黒星が消え、延長11回に松田の本塁打でサヨナラ勝ちした。