<楽天2-8ソフトバンク>◇22日◇Kスタ宮城

 交流戦2位の勢いは、どこへやら…。楽天がソフトバンク相手に、2試合連続で完敗した。先発戸村健次投手(25)が6回2/3を投げ、11安打6失点と炎上。1点を追う7回に与えた四球絡みの失点が痛かった。中継ぎ陣もピリッとしなかった。打線は散発5安打で2点のみ。リーグ戦再開後、投打に振るわず2連敗を喫した。

 梅雨空の仙台に、ジェット風船の音がむなしく響いた。7回2死満塁で、2番手片山がソフトバンク金子に押し出しの四球を与えた。終盤で決定的となる4点リードを許した。しかも、押し出し四球は1球もストライクが入らなかった。前の打者柳田にもストレートで四球を与え塁を埋めた。8球連続ボールに、温かい東北のファンも、しびれを切らした。「え~」という、ため息とともに、ラッキーセブンの攻撃に備えて膨らませていた風船を手放した。ピュ~という音は、投手陣に向けられた抗議の声のようだった。

 この回が始まるまで、点差はわずか1点。まだまだ、勝機は残っていた。だが、戸村が2死から本多に四球を与えた。二盗され、続く内川にフルカウントから右中間を破る適時二塁打を打たれた。そうなると、もう流れは止められない。次の松田にも安打を打たれ降板。ただ、代わった片山が制球不安で、あっという間にリードを広げられた。

 出してはいけない四球を出し、出してもしょうがない時に四球を出さずに打たれた。内川の場面。フルカウントで嶋は外角にカットボールを要求したが、真ん中に入った。一塁は空いており、最悪、四球でもいいから、絶対に厳しいところに投げないといけなかった。その点を聞かれた戸村は「間違いないです。僕に力がなかった」と反省した。

 もっとも、戸村に限らない。四球が絡んだ失点や、一塁が空いているのに、勝負して打たれる失点が繰り返されている。星野監督は「もう、これだけ何年も、何遍も何遍も、同じことを言わされる監督も、同じことを言わす選手も珍しい」と、まくしたてるように言った。交流戦2位は終わったこと。打線が湿っている今、投手陣が基本に立ち返らなければ、セ・リーグ相手にため込んだ貯金なんて、一気に失ってしまう。【古川真弥】