<オリックス3-0楽天>◇17日◇京セラドーム大阪

 楽天は今季4度目の0封負けを喫したが、前半戦を首位で折り返した。先発の川井貴志投手(36)が3回を投げ、6安打3失点。打線もオリックス金子の前に沈黙し、散発3安打に終わった。それでも、2番手で登板した新外国人のケニー・レイ投手(38)が3イニングを無失点。投手陣の疲れが出始める夏場に、新戦力が加わったことは好材料だった。悲願のリーグ優勝へ、勝負の後半戦へ臨む。

 弱い負け方ではなかった。楽天は先発の川井が3回3失点でKO。打線もオリックス金子の前に散発3安打で無得点だった。試合後の星野監督は「2回のチャンスを逃したからな。あそこだけ。あとは何にもなかったなぁ」。負けて怒るでもなく、淡々と振り返った。今季は先発が崩れると大敗するケースが目立ったが、救援陣は踏ん張った。打線が打てなかっただけだった。

 むしろ好材料があった。新外国人のレイだ。2番手で4回から登板。6月中旬に入団し、来日初登板で「焦らず、はやる気持ちを抑えてマウンドに上がりました」と、落ち着いて投球した。最速148キロの直球と、高速ツーシーム、得意のチェンジアップを交え、3イニングを2安打無失点。「四球が反省点だけど、結果的には満足している」と手応えをつかんだ。

 経験豊富なベテラン助っ人だ。レイ獲得に当たり、立花球団社長が評価したのが「精神的にタフなところ」という。メジャーでは通算82試合で2勝1敗5セーブと目立つほどの実績ではないが、韓国、台湾、メキシコでプレー経験があり、日本で5カ国目。「先発、リリーフ、数多くの役割をやってきた。自信はある」と目を輝かせていた。5回、6回と走者を出しても慌てなかったのは、豊富な経験の表れだ。星野監督も「まあまあ分かった。戦力にはなる」とうなずいた。

 チームは前半戦を2位と2ゲーム差の首位で折り返した。課題だった救援陣の防御率も交流戦終了までは4・98だったが、交流戦後は1・80と安定感が増した。そこに新戦力のレイも加わった。勝負の夏場へ向け、星野監督は「塩見、辛島、美馬とか2軍にいるやつが帰ってくるのはプラスだな」と、若手先発陣の復帰に期待した。加えて、救援陣の安定感が増せば増すほど、悲願の初優勝は近づいてくる。【斎藤庸裕】