ヤクルトの元祖「ブンブン丸」こと池山隆寛打撃コーチ(47)が23日、ウラディミール・バレンティン外野手(29)に「ブンブン禁止令」を出した。今日の阪神戦から合流する主砲だが、球宴後は11年が10試合で36打数13三振の打率1割台と低迷。昨季は右臀部(でんぶ)肉離れで5試合で早々と離脱した。

 最下位からの巻き返しに向け、今季も同じことは繰り返せない。池山コーチは「球宴では飛ばそうと思ってやってきているから、戻ってきたら言わなあかん」と、大振りしすぎないように求める考えを示した。

 球宴ならではの「落とし穴」があるという。同コーチは現役時代に7回出場した。その経験から「球宴は直球が来ると分かっているから力むんだ。1発を求め出すと打撃が崩れるのは見えている」と分析する。32本塁打で出場したバレンティンは、期待に応えようと直球に「マン振り」を連発。だが本塁打競争を制せず、試合でも無安打に終わった。知らずに状態が崩れている恐れがあるからこそ、悪化を防ぐ狙いがあった。

 小川監督は「巨人の帽子をかぶって遊んじゃう感じだったから。気持ちをどう切り替えられるか」と心配したが、池山コーチは「軽く振っても飛ぶからね」と話した。球宴直後にバレンティンがどんなスイングをするかに、ヤクルトの命運が懸かっている。【浜本卓也】