巨人の先発投手の最低ノルマは“7回完投”だ。11試合連続完投勝利のプロ野球記録を持つ巨人斎藤雅樹投手コーチ(48)が19日、先発投手陣に真夏の宿題を出した。「完投しろとは言わない。先発は最低、7回まで投げてほしい」と厳命。救援のマシソン、山口、西村の勝ちパターン3投手のうち、1人を休ませながら勝ち進む展開を望んだ。

 現役時代は「ミスター完投」と呼ばれた斎藤投手コーチが先発投手陣に奮起を促した。連日、厳しい暑さが続くが「うちは涼しいドーム球場でやれてるんだから。しかも、先発は1週間に1度だけ。そりゃ、しっかりと投げてもらわないと。先発が7回までというのが最低条件」と、“最低7回”を強調した。

 首位を独走するが、夏場に入り、先発投手陣の短いイニングでの降板が目立つ。最近の2カードも、内海が5回、宮国が6回、沢村が7回、ホールトンが5回2/3、杉内が6回2/3、菅野が2回1/3と、7回まで投げ抜いたのは沢村が先発した1試合のみ。7月からの36試合を見ても、先発投手が7回まで投げ抜いたのは11試合にとどまっている。同コーチは「我々のころは『完投しろ』というベンチの指令だった。今は、分業にもなっているから選手だけの責任ではない」と説明。その上で、7回を投げ切る意味を端的に解説した。

 斎藤投手コーチ

 うちには、後ろに3人いい投手がいる。先発が7回まで投げれば3人のうち1人を休ませられる。

 先発が7回を投げ抜くことで、勝ちパターンのマシソン、山口、西村を効率的に休ませることができる。連日のブルペン待機が続く中継ぎ陣の負担軽減が“7回完投”の一番の狙いだ。今週は、今日20日から長野、神宮でヤクルト、横浜でDeNAと屋外6連戦が待ち受ける。初戦で先発する内海は「6回じゃなくて7回まで。それが僕たちの最低限の仕事ですから」。ラッキーセブンまで先発がマウンドを守れるか。大きな意味と意義を持つ。【為田聡史】