<ロッテ0-8西武>◇6日◇QVCマリン
西武が「おかわり効果」で、打線が目覚めた。左ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷のため、昨年10月15日のソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)以来の1軍での実戦となった中村剛也内野手(30)が、「6番・指名打者」で1軍復帰。その初戦を11安打8得点の大勝劇で飾った。中村は2点リードの3回2死一、三塁から初安打を放ち、初打点もマーク。試合前に渡辺監督が予言した「中村効果、5点は取る」を上回る、最高の勝ち方で勝率を5割に戻した。
中村の声はほとんど聞こえなかった。試合後のバスへの道中。大音量の「おかわりコール」が、記者への返答を遮断した。ニヤッと笑って、その声を受けとめた。その顔はファンには見えなかっただろうが、大きな大きな背中に感謝を込めた。「久しぶりに充実してました」。過剰な緊張や不安はなかった。グラウンドに立てた。それが全てだった。
試合開始前、円陣での声出し役を任され、チームメートに語りかけた。「僕が帰ってきたんで、あとは“6番中村”に任せとってください」。寡黙に結果を出してきた男の言葉での鼓舞。好調の浅村を支えてくれ-。5年ぶりの6番も受け入れた。昨年10月末に左膝手術を受け、長期のリハビリ中に左肩に違和感を覚えた。8月16日の2軍戦で初めて実戦に出場したが、多少の痛みがあることはみんな知っている。それでも、中村はチームのため、チームメートは中村のために戦った。
復帰を祝うかのように、打線が爆発した。導いたのは、中村の存在感の大きさだった。先制打は中村の後ろを打つ7番秋山。走者一掃の適時打を放った炭谷は8番で、2点目の適時打は9番鬼崎が放った。ここ10試合、1度もなかった8得点での大勝。中村も負けじと、3回に復帰後初安打となる左前適時打を放った。「ちょっとやってみたかった」と照れながら、「WIN
WIN」のパフォーマンスも披露した。
試合前に予言したのは、渡辺監督だった。「明日の新聞の見出しは決まったね。『中村効果だ!』って感じでしょ。今日は5点は取るよ」と豪語した。試合後の会見で「(中村を)当然意識するだろうし、1つの山を越えた後で落とし穴がある。今日で言えば、秋山とかギン(炭谷)。いるってだけで雰囲気が違う」と目を細めた。3位ソフトバンクとは2・5ゲーム差。残り25試合。中村がチームの雰囲気をガラリと変えた。【久保賢吾】



