完全無欠のクローザーになってくれ-。阪神中西清起投手コーチ(51)が29日、サンテレビの「熱血!タイガース党」に生出演し、新守護神・呉昇桓に対して球児、岩瀬級の働きを期待した。

 「真っすぐとスライダーで、真っすぐは常時150キロを超える。狙って三振を取れる投手だな」

 獲得決定後、映像を見たという中西コーチの期待は大きく膨らんでいた。うわさにたがわぬスーパースターということはすぐにわかった。だからこそ、具体的なものを問われると、高い次元の数字を求めた。

 「後ろの投手だから失敗しないように。セーブ数はともかく、失敗を少なく。2敗、3敗までに抑えられるようにしてほしい」

 阪神の絶対的守護神だった藤川は08年に1敗38セーブを記録。球界を代表する守護神岩瀬も11年に1敗37セーブを記録している。そのレベルの数字が呉昇桓も当然、出せると計算している。97年には横浜・佐々木が38セーブを挙げ、無敗を記録している。同コーチは夢の無敗ストッパーすら可能だと言わんばかりだ。

 来月中旬には和田監督、黒田ヘッド、中西、山口両投手コーチとの会食も予定されている。呉昇桓のために異例の首脳会談が開催される。新守護神への期待はふくらむばかりだ。【鈴木忠平】

 ▼シーズン無敗投手の最多セーブは、97年佐々木主浩(横浜)が49試合に登板し38セーブ(3勝)。次いで09年武田久(日本ハム)が55試合34セーブ(3勝)で、2人ともタイトル獲得。韓国人投手としては宣銅烈(中日)が98年に無敗のまま42試合29セーブ(3勝)。阪神では、06年シーズン途中に抑えに回った藤川球児が5勝0敗17セーブを挙げている。