サード奪回へ突っ走る!

 中日森野将彦内野手(35)が2日、ゴルフ場を激走した。愛知・豊田市内で行われた球団主催の昇竜会ゴルフに参加。そこには異様が光景があった。トレーニングを兼ねてカートを使わず18ホールを“完走”。今季、ルナに三塁を明け渡し、二塁を守ったが、来季は「やめない限りは基本はサード!」と力強く宣言した。

 紅葉したゴルフ場に森野の息づかいが聞こえてきた。クラブを握りアップダウンを繰り返す。下手だから、ではない。この日はグロス87とさすがの成績。それでもボールからボールへ、森野は走り続けた。理由は足腰のトレーニング。「天気も良かったから走ろうと思って。今日はナゴヤ球場も行けないから」と、いつになくストイックだ。

 目の鋭さが違う。11月から無休でトレーニングを続けている。「1回も一日中、家にいたということはない。僕たちはやらなきゃいけない立場。今年は下手だったから負けた。オフ?

 ないですよ」。年末までナゴヤ球場で練習を続け、年明けには単独でグアム自主トレ。2月のキャンプまでノンストップで突き進むプランだ。

 照準は定まっている。三塁のポジションだ。今季はルナ、クラークの加入が影響し、7年ぶりに開幕スタメンを逃した。結局、134試合に出場し、規定打席到達者ではチームトップの打率2割8分6厘。だが、本職サードのスタメン出場はわずか14試合とルナ83試合、高橋周43試合に次ぐ3番目だった。夏場以降、二塁に定着したことも大きく影響した。

 来季も小笠原の加入や高橋周のショート挑戦など新たな動きがある。いくら実績があっても森野のポジションは、保証されてはいない。どこでも守れる万能型選手-。そんな褒め言葉はいらない。狙っているのはホットコーナーだけだ。

 「やめない限り基本はサード。(キャンプに)ファーストミットは持っていくけど、基本はサード。セカンドはやりません!」

 来季からルーキーイヤー以来となる背番号7を背負う。打撃面も妥協しない。「3割はもう1度打ちたい。打点を上げて嫌な選手と思われるようになりたい」と生まれ変わる。来年36歳になる年男は、馬のように?

 野を越え山を越え、試練も乗り越えていく。【桝井聡】