今季、不完全燃焼に終わったベテラン2人が、短期集中型の隠密トレーニングで初めてタッグを組む。日本ハム武田勝投手(35)と小谷野栄一内野手(33)が来年1月中旬に、埼玉県内のグラウンドで5日間の合同自主トレを行う。24日、2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で体を動かした武田勝は「今季は2人とも良くなかったので、環境を変えてやってみるつもりでいます。皆さんは、絶対に来ないで下さいね」。報道陣完全シャットアウトを宣言し、来季復活への土台を作る計画を明かした。

 投打の軸としてチームを支えてきた2人には、来季へ懸ける思いがある。今季開幕投手を務めた武田勝は、8勝7敗と白星が先行したものの、防御率3・91。5季ぶりに規定投球回数に届かず、エースとしての責務を果たすことが出来なかった。過去3度、三塁守備でゴールデングラブ賞を獲得している小谷野も、今季はチームトップの19失策で、本来は勝負強い打撃も物足りない成績に。だからこそ、巻き返しへの思いは強い。

 施設は知人を頼って確保した。初の試みに、左腕は「短期間で集中してやる5日間にしたい。人が少なくて、静かな環境で練習がしたいんです」と、警戒度マックスで目を光らせる。年明けは、武田勝が鎌ケ谷を拠点に、小谷野が母校の創価大で自主トレを公開する予定だが、途中、ぽっかり空いた5日間は“鉄のカーテン”の内側で、ひっそりと爪を研ぐ。【中島宙恵】