鉄腕調整で再出発だ。ソフトバンク東浜巨投手(23)が25日、ヤフオクドームで契約更改交渉し、100万円減の1400万円でサイン。わずか5試合で3勝しか挙げられなかった今季は投げ込み不足が原因と判断。年明けからキャンプ終了までに3000球の投げ込みを行う。

 苦しかったルーキーイヤーの最後に100万円のダウン提示が待っていた。東浜は終盤に3連勝を挙げたが、2軍暮らしが長く即戦力の期待に応えられなかった。「いい発奮材料になる。いろんな挫折を味わった1年だった」とプロの厳しさをあらためて感じた。

 今季出遅れた原因は投げ込み不足だった。「(プロの調整に)合わせようとして形を崩してしまった。自分でもどこかでストップしていたところがあった。自主トレ、キャンプの練習の大切さを感じた」。首脳陣から体力不足とオーバーペースを懸念され球数を制限されていたが、自身にも甘えがあったと反省した。

 来年はリミッターを解除する。亜大時代は連日200球を投げ込み、多いときは1週間で1000球を投げた。年明けから1日100球ほど投げ込む。1月6日から大隣らと自主トレを行う沖縄でも地元の知り合いに捕手役を任せて本格投球するという。今春のキャンプは合計1200球程度だったが、来春は2000球。自主トレと合わせ3000球を投げ込んで仕上げるつもりだ。

 2カ月間のプエルトリコでのウインターリーグから戻ったばかりで肩を休める時間はないが「シーズンで投げていないので疲れはない」と元気いっぱい。投げ込みで道を切り開いてきた東浜が、原点回帰の調整方法で、中田(中日からFA)、ウルフ(前日本ハム)、スタンリッジ(前阪神)ら大型補強された先発陣に食い込んでいく。【石橋隆雄】