ついにマー君争奪戦のゴングが鳴った。米大リーグ機構(MLB)は25日に全30球団に対して、楽天田中将大投手(25)が大リーグ移籍のために新ポスティングシステムでの申請を行ったことを通知。田中と米球団との交渉は米東部時間26日午前8時(日本時間26日午後10時)から可能になった。交渉期間は30日間で、締め切りは米東部時間来年1月24日の午後5時(日本時間同25日午前7時)。10球団以上が獲得に乗り出す見込みで、争奪戦が一気に本格化する。

 田中のメジャー挑戦が、いよいよ動き始めた。この日、都内で行われた報知プロスポーツ大賞の表彰式に出席した田中は、インタビュアーに促され、米女子ツアーで優勝経験のあるプロゴルファー宮里美香に質問した。「海外の生活に必要なものは何ですか?」。宮里から「みそ汁が大事です」と助言されると、「ボクも好きなので持って行くようにします」と笑顔で話した。メジャー移籍が可能になり、ようやく田中も米国を意識した言葉を口にできるようになった。

 今後については「どうなるんだろう。ボクも全然分からないですね」と答えたが、事態は具体的に動き始めた。前日25日のポスティング申請を受け、MLBは全30球団にその旨を通知した。これにより26日午後10時(米国東部時間26日午前8時)から、田中と米球団の交渉が可能となった。また、複数の米メディアは、代理人がケーシー・クロース氏に決まったと報じた。アーン・テレム氏ら複数の候補から最終的に絞り込んだようだ。クロース氏は、ヤンキースのジーターらを顧客に持つ敏腕で、心強い味方になる。

 ここまで田中を悩ませた新制度だが、今後は希望通りに進めることができる。旧制度では最高額を入札した1球団としか交渉ができなかった。だが、新制度ではフリーエージェント(FA)と同様に全球団と交渉できる。移籍に伴う譲渡金が2000万ドル(約20億円)と格安になり10球団以上が獲得に乗り出すとみられる。

 資金力が豊富なヤンキースやドジャースが有力候補とされるが、30日間の交渉期間で契約年数、条件、起用法、生活環境などを含めて、じっくり吟味することができる。

 田中は来季への抱負について「どこでやったとしても、プレースタイルや、やる野球は変わらないので、その質を向上させていけたらと思います」と語った。マー君は来年どんなユニホームを着るのか?

 遅くとも、あと30日間で決まる。

 ◆ケーシー・クロース

 1963年10月21日、オハイオ州生まれ。野球奨学金でミシガン大に入学。外野手として2年のときビッグ10・コンファレンスで3冠王に輝き、ベースボール・アメリカのプレーヤー・オブ・ザイヤーなど複数の賞を受賞。86年ドラフト7巡目でヤンキースに入団もメジャー昇格は果たせず90年に現役引退。92年から代理人となり、93年にヤ軍で当時新人だったジーターの代理人となり、手腕を発揮し始めた。顧客選手は他にテシェイラ(ヤ軍)ハワード(フィリーズ)カーショー(ドジャース)グリンキー(同)らスター選手多数。08年にスポーツ・ビジネス・ジャーナル誌が選ぶ全米代理人トップ20入り。夫人は89年ミスアメリカでFOXニュースのアナウンサー、グレッチェン・カールソンさん。