背水シーズンに決意のボディーで臨む。ソフトバンク松中信彦内野手(40)が5日、体脂肪率16%の肉体でグアム自主トレに出発した。昨年は同じ体重96キロで、体脂肪率は22%もあった。故障に泣いた昨季の反省から、グアムでも走り込んでシェイプアップする。追い込まれた大砲が新加入の李大浩、中村らライバルを蹴落とし、再びレギュラーを奪い取る。

 福岡空港に、正月明けとは思えない姿の松中が現れた。黒いシャツが張り付いてしまったように見えるほど内側から押し上げる筋肉が、本気度を物語る。「年末年始もずっと動いていましたから」と松中は事もなげに言った。

 現在の体脂肪率は16~17%。昨秋キャンプでシーズンから5%程度落とした数値を維持した。グアム自主トレは暑さの中、これでもかと走り込む。最後が坂道となっている200メートルを全員でダッシュ。同行者は森福、嘉弥真、星野と20代の投手ばかり。「若手とも全部同じメニューをやりますし、プラスアルファもある」と個人練習を加え、40歳の体を鍛え抜く。筋肉量を1%上げ、体脂肪率を15%にするのが目標だ。

 食事制限でのダイエットではなく、トレーニングでここまで絞った。04年に3冠王に輝いた時も、体脂肪率は20%を切っていた。ボディーだけなら10年若返ったとも言える。昨年ケガに泣かされたのも体質が原因だったと判断。余分な脂肪に別れを告げた。

 4番一塁で期待される李大浩だけでなく成長株の中村、ラヘア、カニザレスとライバルは多く開幕ベンチ入りも危うい。昨年12月、契約交渉では全盛期の約14分の1となる年俸3500万円+出来高で更改。その場で「全員競争」のチーム方針を確認し、「開幕スタメン」と明確に掲げた。口先だけではないことを、まずは体が証明する。追い込まれた大砲が、存在をアピールしていく。【石橋隆雄】

 ◆体脂肪率

 体内に含まれる脂肪の重さの割合を表す。松中のように30歳以上の男子では、17~23%が適性とされ25%以上は肥満となる。11年のデータによるとメジャーリーグの外野手の平均は11%でイチローは6%だった。今季から加入する李大浩は昨年、WBCに向けて夕食は炭水化物を避けるなどして25%から18%に絞り込んでいた。