日本ハムに新加入した藤岡好明投手(28)が「ツンデレ」の二刀流での再スタートを宣言した。FA移籍した鶴岡の人的補償でソフトバンクから移籍。7日に札幌市内の球団事務所で入団会見を行い、癒やし系のルックスとは違う、荒々しいマウンドでの一面が強みとアピールした。

 終始、目を細めニコニコ。人的補償の入団会見は湿っぽくなりがちだが、独特のテンポの話術で、温かい空気へと変えていった。「一見、やる気なさそうに見えるんですけれど、わざとじゃなく、作り上げたものなので」。同席した栗山監督が爆笑する衝撃告白で、存在感がヒートアップした。

 ややデレッと自己紹介した直後に、二面性があることを主張した。「マウンドとは違う。僕のスタイル、特長を、お客さんに分かってもらいたい。楽しんでもらいたい」。主に中継ぎでソフトバンク在籍8年間で255試合登板した実績を持つ。昨年6月には肝機能低下の病を患いながらも、周囲の関係者が敬服するほど地道なリハビリで復帰。古巣では穏やかな外見の反面、しんの強さが評判だった。

 内面と外面が対照的な「ツンデレ」の変則右腕。内角を強気に攻める投球が持ち味の実力派だ。3歳年上の先輩、強打者内川は「おちょくります」と絶縁し、徹底抗戦を宣言。早くも強いメンタルの一端をのぞかせた。背番号は「22」に決まり「プロ野球の世界なので『やるか、やられるか』ですから」。二刀流の個性あふれる藤岡のギャップが、強固な救援陣形成のスパイスになりそうだ。【高山通史】

 ◆藤岡好明(ふじおか・よしあき)1985年(昭60)3月12日、大阪府豊中市生まれ。豊中十五中では準硬式野球部に所属し、高校は宮崎日大へ進学。甲子園出場はなかったが横手投げに本格転向した。JR九州を経て05年大学・社会人ドラフト3巡目でソフトバンク入団。06年3月26日ロッテ戦で初登板し、同5月24日横浜戦で初勝利。1年目の62試合は当時のリーグ新人最多登板。09年には先発も14試合こなした。通算255試合18勝15敗1セーブ50ホールド、防御率3・70。推定年俸2800万円。177センチ、81キロ。右投げ左打ち。