「ゴジラの左太もも」を見よ!

 巨人原辰徳監督(55)が14日、客員教授を務める千葉・勝浦市の国際武道大で講義を行った。終盤、学生に「好打者の共通項とは」との質問を受けた。原監督は「軸」の重要性を挙げ、左軸で本塁打を量産した松井秀喜氏の打撃フォームを身ぶりで解説した。2月のキャンプで臨時コーチを務める松井氏は、実演しながら指導するはず。現役選手たちにとっても「左太もも」が重要なチェックポイントとなりそうだ。

 琴線に触れる質問だった。好打者とは?

 野球人が永遠に追い求めるテーマに対し、原監督が解を示した。「軸を作ること。軸さえあれば、どんな回転でも回る。パワーがあっても軸がなければ」と言って立ち、左で構え、左太ももの付け根をパーンとたたいた。

 原監督

 松井はね、左サイドの太もも、ここに軸を作っていた。軸に力をためて、一気に回していた。

 振り子打法時代のイチローは右側に軸を作った。比較して説明し「1軸、2軸といろいろあるが、軸を持って戦えると、一流になる可能性がある」と結んだ。

 軸を持つことには、打撃論を超えた普遍性があると訴えたかった。「勝負強さはメンタルで決まらない。精神的に弱いから負ける、は間違い。下手だから、が正解」と説き、「心って、目には見えないよね。できることを、自分の中で、やる。そうすれば無駄な時間を過ごさない」と真意を明かした。松井氏のアシストを受け、確かな技術という「自分軸」を身に付けるキャンプになる。【宮下敬至】