鬼に金棒!

 藤浪に全方向変化球!

 阪神藤浪晋太郎投手(19)が20日、鳴尾浜で今年3度目のブルペンに入った。捕手を座らせて投じた18日から中1日で今度は全球種を解禁した。昨季はあまり使わなかったツーシーム、チェンジアップもコーナーに決めた。マー君を思わせる7色の球種を引っさげ、独自調整を任される2年目のキャンプを前に早くも仕上がってきた。

 7色の球種を、いとも簡単にコーナーに決めた。今年3度目のブルペンも、藤浪の独壇場だった。セットポジションから、ゆっくりと足を上げ「フッ!」と息を吐きながら、次々に変化球を投げ込んでいく。直球をはさみながら、スライダー、フォーク、カットボール。そこにカーブ、ツーシーム、チェンジアップも解禁した。捕手を座らせて、34球を自在に操った。

 藤浪

 特に前回と変わらないですよ。悪くないことに変わりはないです。この時期にしてはわりといいと思います。

 昨季は試合で使わなかったボールも一級品だった。カーブ、チェンジアップはブレーキが利き、昨季終盤戦で投じていたツーシームは右打者の内角をえぐった。球を受けた育成の原口も「ベース板でしっかり変化していたし試合でも全然使えると思います。あとは精度を上げるだけ。すごいですね」と目を丸くした。

 藤浪

 試合で使わなくても困らないですけど、あればいいかなという感じです。(キャンプでは)練習するというより感覚をつかめるようにしたいですね。できれば使えればいい。

 新球に多くを求めていないところがすごい。キャッチボールでは遠投から短い距離に戻ると必ずカーブなど緩い球種を投じる。ブルペンでの投球を制限されていた昨秋キャンプでも感覚を確かめていた。「腕が体に巻き付かないと投げられない球種。ピッチングに大事な感覚なので」と説明した。打者にとってはやっかいなことこの上ないが、藤浪はバロメーターとして精度を上げてきた。

 アピールする立場から1年が経過し、独自調整を許される。周囲の目はローテーション投手として「期待」から「計算」に変わった。自由には責任もつきまとう。それも承知した上で、はっきり言い切った。

 藤浪

 任せてもらえるほうがやりやすいし考えて出来ると思っています。自分は200球とか投げるタイプではないしキャンプでもそんなに多く投げることはないと思う。

 進化をやめない右腕の新たな引き出し。それが、150キロを超える直球に全方向への変化球-。金棒を引っさげた鬼として、2年目シーズンに乗り込む。【池本泰尚】

 ◆藤浪の全方向変化球

 1年目から決め球だったカットボール、スライダーは右打者の外角に逃げる軌道。フォークは真下に落下し左右両打者から空振りを奪う。直球に的を絞る打者にはカーブでタイミングを外しカウントを稼ぐ。昨季は左打者に弱い傾向もあったが、球速が遅く外角に沈んでいくチェンジアップで凡打の山を築く。ツーシームは直球と同じ腕の振りから投じる。ベース盤上で三塁側方向にボール1つ分変化し、左右両打者ともバットの芯を外してゴロを打たせる。