<オープン戦:オリックス2-3日本ハム>◇9日◇姫路

 栗山監督の「後輩」が、オンリーワンの個性で、また猛アピールをかけた。日本ハム大塚豊投手(26)が、入団5年目で初の開幕1軍を射程圏にとらえた。オリックス戦に1点リードの9回に7番手で登板し無失点。ほぼ完璧に火消し役を演じた。昨季からモデルチェンジしたシュート主体の投球スタイルで、オープン戦3試合連続の快投。キャンプ中の実戦を含めれば6戦計8回を無失点と、台頭の兆しだ。

 唯一、許した走者が決意表明だった。先頭打者の竹原の胸元をえぐり死球。ひるまずシュートを連投した。犠打で1死二塁のピンチから真骨頂。高橋をシュートで詰まらせ三ゴロ。続く伊藤をシュート、フォーク、スライダーで追い込み、最後は外角低め直球で見逃し三振でセーブを手にした。「1回ダメだったら、もう(1軍は)ないというくらいの気持ちで投げている」との思いを込めた。

 熱血指揮官と同じ創価高出身。09年に2位で創価大から即戦力入団しながら昨季まで1軍わずか11試合登板。一念発起した正統な本格派スタイルを変え、130キロ台後半のシュート投手へ転身した。「150キロを投げる投手がいっぱいいるので、違うタイプにと思った」。頭を悩ませ、プライドを捨てて挑む新境地を確立しつつある。激戦の中継ぎ陣争いで、台風の目になってきた。【高山通史】