<DeNA2-1ヤクルト>◇10日◇横浜

 悪夢を1発だけで振り払った。今季初の4番を託されたDeNAアーロム・バルディリス内野手(31)が、0-0の7回1死二塁で左中間へ7号2ラン。チーム唯一の安打で今季2度目の3連勝に導き「自分の一振りで決められて、満足しているよ。こういう展開は予想していたからね」と胸を張った。

 このアーチまで、チームはナーブソンの前に無安打。広島前田、中日山井と2年連続で味わったノーヒットノーランの屈辱が中畑監督の頭もよぎった。「毎年1回経験してるからな。ボチボチかな、というのは正直なところあった。早く1本って、内心ドキドキだったよ」。

 そんな不安をよそに、バルディリスは「打席に向かう前、(先発)モスコーソに『俺がホームランを打ってくる』って言ったんだ」と大胆予告。直前のボークの判定を巡る中断中も、冷静に素振りを繰り返し、有言実行へのイメージを練り上げた。そして初球カットボールをフルスイング。「前の2打席で球は見えてきていた。約束してたから、その通りになってうれしいよ」と満面の笑みだった。1安打勝利で、チームは4月5日以来の単独5位に浮上。「負けるのは嫌いだから。打順は意識していない。これからも自分のスイングで役割を果たすだけ」と、力強く誓った。【佐竹実】

 ◆1000勝

 DeNAがヤクルト7回戦(横浜)に勝利し、横浜スタジアム通算1000勝(1092敗73分け)となった。