左膝手術から2軍戦で実戦復帰した日本ハム稲葉篤紀内野手(41)に、またもアクシデントが襲った。27日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で練習に参加したが、軽いランニングのみで切り上げた。下半身のコンディション不良を訴えたもようだ。異常が生じた箇所は不明だが、病院で検査を受けたという情報もある。出場予定だった今日28日のイースタン・リーグ、ロッテ戦(ロッテ浦和)も欠場することになった。

 今後の経過次第では、1軍復帰プランも大幅に狂う事態となりそうだ。当初は前半戦中の再昇格を目指し、リハビリを進めていた。「ちゃんと走れて、守れるようになってから」と、走攻守で完璧な状態に戻すことを条件に挙げていた。7月上旬には2軍戦で守備、走塁も確認し、満を持して1軍へという青写真を描いていた。走れない状況となれば自ら掲げた前提も覆る。再昇格へ向けた道筋も練り直すことになる。

 実戦復帰した24日の同DeNA戦(横須賀)でも下半身に不安を残していた。3回に復帰即安打となる中前打を放ったが「打って1歩目に嫌な感じがあった」。翌25日の同戦(平塚)もスタメン出場で3打数無安打。前日26日は2軍の全体練習に参加していたが、不安が現実になった。リハビリ中だった11日には腰痛も発症。完治したが、実戦復帰が想定より約2週間遅れた。20年目の大ベテランが、ようやく歩み出したはずの復活ロードに再び暗雲がたれ込めてきた。<稲葉これまでの経緯>

 ▼4月5日

 左膝痛のため出場選手登録を抹消。チームには同行しながら治療を続けた。

 ▼同13日

 西武戦前に栗山監督や球団幹部らと話し合い、手術に踏み切ることを決断。

 ▼同14日

 左膝関節軟骨損傷のため、内視鏡によるクリーニング手術を受けた。

 ▼5月9日

 2軍施設の千葉・鎌ケ谷で、術後初めての打撃練習を行った。ティー打撃で約40スイング。

 ▼同28日

 千葉・鎌ケ谷で屋外でのフリー打撃を再開。

 ▼6月4日

 短距離ダッシュを再開。約50メートルの距離を8割程度の力で駆け抜けた。

 ▼同17日

 実戦復帰予定だったイースタン・リーグ、ロッテ戦(鎌ケ谷)を疲労性の腰痛のため欠場。

 ▼同24日

 イースタン・リーグDeNA戦(横須賀)で実戦復帰。3番DHで2打数1安打。