ソフトバンクとヤクルトで2対2の交換トレードが成立したことが19日、分かった。ソフトバンクからは02年ドラフト自由獲得枠で入団した新垣渚投手(34)と山中浩史投手(28)、ヤクルトからは川島慶三内野手(30)と日高亮投手(24)。すでに両球団で合意に至っており、近日中にも正式発表される見込みだ。

 リーグ戦再開直前での、駆け込みトレードが決まった。ソフトバンクは前半戦を首位オリックスと0・5ゲーム差の2位で終えたが、松田、吉村両三塁手が相次いで故障。3年ぶりのリーグ制覇へ内野陣をさらに整備する必要が生じていた。そこで内野の各ポジションを守れる高い守備力に定評があり、長崎出身の川島に白羽の矢を立てた。中継ぎ左腕強化として、大分出身で伸び盛りの日高もリストアップした。

 ヤクルトは館山ら投手陣に故障者が続出し、前半戦のチーム防御率は12球団でワーストの4・93。最下位からの巻き返しに向けて投手陣の立て直しが急務な状況だった。水面下でトレードでの補強を検討していた中で、通算60勝と実績十分ながら出場機会に恵まれていなかった新垣と、昨季ウエスタン・リーグで最多勝(10勝)で下手投げの技巧派、山中が候補として浮上してきた。

 後半戦を見据えて補強を検討していた両球団の思惑が一致し、球宴期間中の緊急トレード合意に至った模様だ。

 ◆川島慶三(かわしま・けいぞう)1983年(昭58)10月5日生まれ。長崎県出身の30歳。佐世保実、九州国際大を経て、05年大学・社会人ドラフト3巡目で日本ハム入団。08年1月に3対3のトレードでヤクルトに移籍。家族は夫人と2男。171センチ、70キロ。右投げ右打ち。推定年俸2200万円。

 ◆日高亮(ひだか・りょう)1990年(平2)7月19日生まれ。大分県出身の24歳。日本文理大付から08年ドラフト4位でヤクルト入団。12年には中継ぎとして66試合に登板し、3勝2敗、防御率2・98。181センチ、79キロ。左投げ左打ち。推定年俸2100万円。

 ◆新垣渚(あらかき・なぎさ)1980年(昭55)5月9日生まれ。沖縄県出身の34歳。沖縄水産、九州共立大を経て、02年ドラフト自由獲得枠でダイエー(現ソフトバンク)入団。04年から3年連続2桁勝利で06年には自己最多の13勝。家族は夫人と2女。190センチ、83キロ。右投げ右打ち。推定年俸3300万円。

 ◆山中浩史(やまなか・ひろふみ)1985年(昭60)9月9日生まれ。熊本県出身の28歳。必由館、九州東海大、ホンダ熊本を経て、12年ドラフト6位でソフトバンク入団。家族は夫人と1女。175センチ、82キロ。右投げ右打ち。推定年俸1200万円。