逆転Vへ、隠し玉ゲット!

 広島は新助っ人右腕デュンテ・ヒース投手(28=ホワイトソックス3A)と契約合意に達したことを24日、発表した。1年契約で年俸は約2290万円プラス出来高。背番号は70。先発起用する方針で、野村謙二郎監督(47)は「少しでも起爆剤になってくれれば」と期待。朗報が今日25日からの阪神3連戦(マツダスタジアム)に弾みをつけた。

 決意の7人目助っ人を投入だ。新外国人右腕ヒースの獲得は、23年ぶりのV奪回にかける本気度を表している。松田オーナーは「今から1つ1つの試合が重くなる。できるだけ勝てる戦力を置いておきたい」と説明。首位巨人と4ゲーム差、2位阪神とは1・5ゲーム差。さらに選手層を厚くして、射程圏内の2チームをとらえにかかる。

 休日にマツダスタジアムを訪れた野村監督は「これから厳しい戦いが続く中、少しでも起爆剤になってくれれば」と力を込めた。交流戦以降は投手王国に陰りが見え始め、先発陣の早期降板も珍しくなくなった。来日3年間で通算31勝のバリントンは6月1日楽天戦以来勝ち星がなく、7勝7敗、防御率4・33の数字以上にピリッとしない内容が続いている。シーズン中の補強は来季以降も見すえてのモノだが、先発陣のビタミン剤としてヒースにかかる期待は大きい。

 カープにはすでに主砲エルドレッド、守護神ミコライオ、バリントン、キラだけでなく、2軍にも大砲ロサリオ、中継ぎ左腕フィリップスが控えている。外国人枠4人を巡る激しい争いに7人目を加え、さらにチーム力の底上げを図る狙いだ。松田オーナーは「投手3人、野手1人にする可能性もあるだろうな。先発投手を抹消させて、フィリップスも投げさせながら、とかな」と説明。助っ人起用のバリエーションが一気に増え、その時々の状況に合わせた4人が1軍の舞台に立つことになりそうだ。

 最速152キロのヒースはコンスタントに140キロ中盤の直球を投げおろし、多彩な変化球も駆使した安定感が魅力。どことなくメジャー219勝右腕ペドロ・マルチネスに似た風貌も頼もしい。3週間近く実戦から遠ざかって近日中に来日予定で、指揮官は「準備ができたら起用したい」と説明した。「チームとして投手陣が安定してくれればいい」とは松田オーナー。バリントンの尻に火がつくも良し、ヒースが救世主になるも良し。電撃補強というニュースを、猛追開始の合図に変える。【佐井陽介】

 ◆デュンテ・ヒース(Deunte

 Heath)1985年8月8日、米国ジョージア州アトランタ生まれ。06年にチーム19巡目でブレーブスにドラフト指名され、10年にホワイトソックス移籍。メジャー通算8試合0勝0敗、防御率10・24。マイナー通算243試合(先発88試合)で36勝36敗、防御率3・77。今季は3A22試合で5勝1敗、防御率3・22。持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。身長193センチ、体重109キロ。右投げ右打ち。