DeNAが今季で契約が切れる中畑清監督(60)に来季続投を要請する方針を固めたことが12日、明らかになった。チームは4位で球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出を目指しているが、結果にかかわらず、チームの成長を評価。来季以降、常に上位争いをするチーム作りを目指すためには、内情を把握している中畑監督の続投が最適と判断した。今月中に球団幹部による話し合いを行う予定。中畑監督が4年目のシーズンを迎えることになりそうだ。

 常勝チームを作るために、DeNAが中畑監督の続投で一本化した。チームは現在4位でCS進出は大目標だが、球団サイドは「奇跡のCS進出を目指してはいない。常にAクラスに入れるチーム作り」(池田球団社長)を目指していることから、今季の結果だけにとらわれず、来季体制を考えている。この点はDeNA本社サイドを含め、球団発足時から一貫した姿勢だ。

 今季は4月に出遅れたものの、12日時点で4位に巻き返した。順位だけでなく借金6という成績も、過去2年に比べ大きく成長していると判断されている。その要因として中畑監督の積極的なチーム作りがある。野手では筒香、梶谷を内野手から外野手へ転向させながら、打線の軸となるまで成長させた。投手ではリリーフだった山口の先発再転向、ルーキー三上の守護神起用などが挙げられる。

 また同監督は人気面でも申し分なく、球団のみならず球界全体を盛り上げてきた実績もある。監督を代えるリスクを取るよりも、12年まで5年連続最下位だったチームを鍛え上げた中畑監督に託した方が、常勝チームを作り上げる上で適しているという意見で、球団幹部はまとまっている。

 CS争いは10月までもつれる見込みだが、球団はシーズン終了を待たずして来季の体制を決める意向だ。23日から14連戦に突入するが、その週を最終決定のメドとしているという。この前後で池田社長、高田GMらが集まり、来季の体制を確認する。現状で他の監督候補への打診は一切行っていない。中畑監督の続投に異を唱える幹部もなく、すんなりまとまる見込みだ。

 球団内の方針が固まれば、春田オーナーも同意するとみられる。チームはこの日、巨人に敗れ2連敗となり、5位中日に0・5ゲーム差と迫られた。今後、最下位に転落するような大失速がない限り、球団は来季も中畑体制に託す構えだ。