<ファーム日本選手権:ソフトバンク4-6ロッテ>◇4日◇KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎

 ロッテの2軍が1軍のあだ討ちに成功した。

 4日、宮崎で行われたファーム日本選手権でソフトバンクを下し、2年ぶりの日本一を手にした。得点、安打など5部門でシーズン新記録を打ち立てたイースタン史上最強打線が打ち勝った。

 会心のあだ討ちだった。1軍開幕前の3月、福岡で行われた決起集会で、山室晋也球団社長(54)が日刊スポーツを手に話しはじめた。手にしていたのは1月31日付の九州版。1面に「ソフトバンクが優勝だ」と見出しが躍っていた。それを選手の前でビリビリに破いた。「優勝するのは俺たちだ。ロッテだ」。そう言うと場は歓声に包まれた。

 しかし、結果はともなわなかった。ソフトバンクに開幕3連敗を喫し、そのまま5連敗。シーズン中も福岡で8連敗と勝てない日々が続いた。1軍はソフトバンクが優勝。一矢報いたいところで、2軍の日本一を決める試合で雪辱できた。

 この日、観戦した山室社長は「1軍も2軍も優勝されるのだけは避けたかった。新聞を破いたのが、ようやく効いたかな」と冗談交じりに喜んだ。見事に果たしたあだ討ちの真価は、来季の1軍の成績に表れる。【竹内智信】